連結納税制度

「連結納税制度」については、平成14年度税制改正の要綱に盛り込まれ閣議決定されていますが、関連法案の国会提出は5月の連休明けとなり、6月下旬までには成立させ、4月にさかのぼっての適用となりそうです。

@連結納税制度とは?

連結納税は、企業グループ内の各法人の所得と欠損を通算して法人税を課税する仕組みです。

A適用法人・適用方法は?

【適用対象法人】

・国内の法人で、親会社(100%子会社に該当するものを除く)と、その親会社に発行済株式の全部を直接または間接に保有されるすべての100%子会社とされる。

親会社は普通法人と協同組合等に、そして100%子会社は普通法人に限る。

【適用方法】

適用は選択制とし、一旦選択した場合は継続して適用することになる。

【税率】

連結所得に対する法人税率は次のとおりです。ただし2年間は以下の税率に付加税として2%上乗せされます。

親会社が普通法人の場合……税率30%

親会社が中小法人の場合の軽減税率(年800万円以下の部分)……税率22%

親会社が協同組合等である場合の軽減税率……税率23%

【申告・納付】

親会社が連結所得に対する法人税の申告、納付をする。

連結納税制度の適用を受けた100%子会社は、連結申告に係る納税について連帯責任を負い連結所得の個別帰属額等を記載した書類を税務署に提出する。

【適用時期】

連結納税制度の適用時期については、平成14年4月1日以後に開始し、かつ、同15年3月31日以後に終了する事業年度から適用できます。

連結納税制度に伴って、次のような見直しがされます。

ア)受取配当の益金不算入制度の見直し

受取配当の益金不算入について、特定利子に係る措置を廃止するとともに、特定株式等(持ち株割合が25%以上の株式等)以外の株式等に係る受取配当の益金不算入の割合が80%から50%に引き下げられます。なお、中小法人等については所要の経過措置が設けられます。

イ)退職給与引当金制度の廃止

退職給与引当金制度を廃止し、その廃止前の退職給与引当金勘定の金額については4年間で取り崩し益金に算入することになります。なお、中小法人および共同組合等については、10年間で取り崩すことになります。

ウ)旧特別修繕引当金の経過措置の廃止

平成10年度の税制改正で廃止されましたが、平成10年4月1日以後最初に開始する事業年度で特別修繕引当金の対象となる資産を有する場合には、経過措置として引き続き繰入れが認められていましたが、この経過措置により存続されていた旧特別修繕引当金制度を廃止し、その廃止前の旧特別修繕引当金勘定の残額については、4年間で取り崩し益金算入することになります。

平成14年度改正税法では、「連結納税制度」関係が除かれていますが、先に述べているとおり、今国会中に成立すると4月にさかのぼっての適用となりますので注意が必要です。特に連結納税制度の導入に伴って行われる、ア)イ)ウ)の事項は、影響が大きいとおもわれます。

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