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◇新年度開始!! 新たな法制度の影響と対応

平成12年4月1日から、官庁を始め多くの企業で新年度がスタートします。同時に、新たな法制度の多くが開始され、企業経営に影響を及ぼすことも予測されます。

4月から始まる主な法制度等とその影響について考えます。

1.官庁では新年度予算に基づいて諸施策が実施される

官庁では、4月から新年度の予算に基づいて諸施策が行われることになります。特に官庁との取引が多い企業では、新年度の事業関連予算をよく知ることが必要です。

・影響と対策

例えば、公共事業など官庁から業務を請け負っている企業では、関係する予算の増減が企業経営に直接影響を及ぼしてきます。

したがって、官庁の新年度における関係予算はいくらか、前年度に比べて増額されているのか削減されているのかなどをチェックし、対策を検討します。

2.「会計ビックバン」に伴い「時価会計」と「退職給付(年金)会計」が一部実施となる。

時価会計とは、有価証券などの金融商品を「換金すればいくらになるか」という時価評価を行って、貸借対照表に計上する会計体系です。また退職給付(年金)会計とは、年金不足額を含めて、企業が負うべき退職給付額の負債を計上するというものです。

平成12年4月1日以後開始する事業年度から一部実施となります。

・影響と対策

すでに平成11年4月1日以後開始の事業年度から導入されているキャッシュ・フロー会計及び税効果会計等と同様、今のところ株式を公開していない中小企業等については強制適用されません。しかし、中小企業にも次のような影響が考えられます。

@親会社や取引先等から新会計基準採用を要請される

A金融機関から新会計基準の導入を要請される

B親会社等から連結グループとして会計方針の統一を要請される        など

中小企業としても、対外的評価を高める意味でも、新会計基準の採用を検討しましょう。

3.特別地方消費税が廃止される

特別地方消費税は、飲食店等での飲食やホテル等での宿泊を伴わない飲食などの場合に1人1回7,500円を超える、あるいはホテル等での宿泊や宿泊に伴う飲食の場合には1人1回15,000円を超えるとかかる税金です。その税額は、利用料金に3%を掛けた額でしたが、この4月から廃止されます。

・影響と対応

飲食店やホテル等では、特別地方消費税の申告等に関連した事務負担の軽減が考えられます。ただ、コンピュータにより請求書や領収書を発行しているところでは、システムのチェックや変更が必要です。

その他

以上の他に次のような法令等も施行されます。

・成年後見制度導入のための改正民法:4月施行

禁治産制度を見直し、痴呆や知的障害などで判断能力が充分でない成人を法的に保護することを目的としています。これにより判断力の程度に応じて、財産管理等を手伝う人を家庭裁判所が後見役に選んだり、自分で前もって決めることが可能になります。

・大規模小売店舗立地法:6月施行

大規模小売店舗の立地について、周辺地域の生活環境保持のため、その施設の配置及び運営方法について適正な配慮がなされることを確保するために制定されます。店舗面積1000uを超える大規模小売店舗の新設などをしようとする者は、店舗面積、新設をする日、店舗の施設の配置またその運営方法等を届け出ることが必要になります。なお、大規模小売店舗法は、この新法の施行に伴い廃止となります。

・確定拠出型年金制度(日本版401k)が来年(平成13年)初めに導入予定      など

こうした法制度の改正等に対して受け身で対処するのではなく、積極的にビジネスチャンスととらえて対応を検討してはどうでしょう。

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