インターネットの上手な活用法

小企業でも使えるインターネットの上手な活用法

インターネットの利用が企業の運命を左右!?

インターネットが急速に普及しています。電子商取引実証推進協議会等の調査によると、国内の個人向け電子商取引市場は、平成11年の3,360億円から同16年には20倍の6兆6,20億円に拡大すると予想されていますが、分野別予想では次のとおりです。

自動車・・・・・・・・・・・・・・・・・・1兆4,510億円

旅行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1兆2,020億円

不動産・・・・・・・・・・・・・・・・・・1兆1,200億円

サービス・・・・・・・・・・・・・・・・  5,280億円

パソコン・・・・・・・・・・・・・・・・  4,870億円

金融・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  4,040億円

エンターテイメント・・・・・・  1,880億円

その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・1兆2,720億円

       合   計    6兆6,620億円

       (通産省系の電子商取引実証推進協議会等の調査)

一方、『平成11年版通信白書』によると、平成10年度のインターネット関連市場の規模は次の表のとおりです。

インターネットコマース   25,979

 最終消費財市場   1,665

 原材料取引市場  24,314

インターネット接続ビジネス  2,961

インターネット関連ビジネス 36,939      (単位:億円)

 最終消費財市場は前年に比べて約2倍、またインターネット接続ビジネスは前年比約2.6倍、インターネット広告等のインターネット関連ビジネスの規模は前年に比べて約1.4倍となっています。

もはや企業活動は、インターネットなしでは成り立たない時代となりつつあります。これはいかに対応し利用していくかによって、企業の運命が左右される時代がくると予想されます。

 

インターネットの現状と展望(平成11年度版通信白書より)

インターネットの普及

平成10年における我が国のインターネット人口は約1,700万人と推計。商用利用開始後わずか5年間でインターネットの世帯普及率は10%を突破。

我が国のウェブ上の情報量は1年間で3.4倍に増加。

生活に広がるインターネット

就職・採用活動にインターネットが定着。平成10年に就職活動を経験したインターネット利用者の9割が活用。

女性のインターネット利用が増加。最近利用を開始した人は、自宅での利用や趣味娯楽のための利用が中心。

若者は出会いの場としてインターネットを活用。シニアは趣味や自己啓発の機会として期待。    など

課題と展望、普及に向けて

個人情報保護を強化すべきとの意見が多い。郵政省では「電気通信サービスにおけるプライバシー保護に関するガイドライン」を告示。

インターネット利用上の不満点として「ウイルス感染が心配である」と回答した企業が48.9%。ウイルス感染経路のうち、電子メールなどのネットワーク経由による割合が増加。

インターネットショッピングの利用者の約7割が個人情報に関し不安。

 

中小企業のインターネット活用事例

インターネットを活用している企業の事例を紹介しましょう。

事例1 店舗も従業員も持たない家具を販売するA社

A社は、他の家具店と同様、従来から店舗を構えて家具を販売してきた。販路拡大を目指し通販を思いつき、店頭での販売に加えて、インターネット通販を開始した。開設当初の3ヶ月間は一つも売れなかったという。そこで、ホームページを毎日更新し続け、どうしたら売れるか研究した結果、2年半後にやっと軌道に乗り始めた。今や店舗をたたみインターネット通販1本に絞って行っている。商品は工場からの直送なので在庫はない。A社長は、「他店では買えないデザインや機能性を重視した魅力的な品揃えを絶えず行うことがポイントだ」という。     (家具の青木:京都市)

 

事例2 弁当の注文をインターネットでも受け付け始めたB社

持ち帰り弁当店B社は、新規顧客の開拓とそれに伴う売上げ増をねらって、インターネットによる弁当の注文の受付けを開始した。店舗から宅配可能な半径1.5q以内に住む人で会員として登録した人が対象。ホームページには商品が写真付きで掲載され、希望の弁当等をクリックし数量を入力するだけで注文が出来る。注文を受けると確認の電子メールを顧客に返信し、指定時間に店頭で引き渡すか宅配する。同社では、注文をメールで受けることで販売の効率化も期待している。(ハークスレイ:近畿、北陸、中国地方で持ち帰り弁当店「ほっかほっか亭」を展開)

 

事例3 消費者との情報交換で消費者ニーズをつかみ製品に活かすハム・ソーセージを製造するC社

C社は、本格的なドイツの製法により、無添加ハムなどを製造・販売している。現在の社長は3代目になるが、伝統を重視しつつインターネットを通して同社をアピールしている。ホームページには、製品の紹介・注文受付だけでなく、工場見学の受付や自社商品の取扱店舗検索、ドイツ製法の開設、ハムを使った料理のレシピなども掲載している。社長は毎日このホームページをチェックし、消費者からの問い合わせには社長自らが電子メールを返信している。さらに、ホームページで社長と消費者が意見交換できるシステムがあり、消費者のナマの情報を収集し、製造や製品開発に活かしている。(大多摩ハム小林商会:東京都福生市)

 

(日本経済新聞 平成12年1月25日)より

貨物トラックのドライバーがノートパソコンを携帯しPHSとインターネットを駆使して、荷を降ろすと同時にネットでその周辺の荷主を捜し「空車」を極力なくし売上げを増やしている運送会社(北海道の別当町にある従業員7人の小さな運送会社です。ドライバーの山崎氏はPHSとインターネットを駆使し、目的地で荷を降ろすのに合わせてネットで周辺の荷主を検索し、注文を受ける。昨秋からこの方式を取り入れ、売上が一気に2倍近くに増えたそうです。

 

インターネットを活用した求人活動が進む

現在、就職を希望するほとんどの大学生には、大学側から電子メールアドレスが無償で渡されており、インターネットを利用して求人情報を探しているのが実状です。ダイヤモンド・ビック社の調査によると、平成11年には大学生が就職活動においてインターネットを利用した割合は94.1%に達したそうです。

一方企業側では、就職情報誌と合同説明会に加えてインターネットを活用し、学生に応募を呼びかけています。中には求人に対する応募をインターネットに限定する企業も出てきています。例えば、三菱商事はこれまで書類とインターネットの両方で応募を受け付けていましたが、2001年春の新卒採用でインターネットに一本化するようです。(朝日新聞・平成12年3月30日)このように企業の求人においてもインターネットの利用が進んでいます。なお、TKCでは、企業の求人情報をインターネットで全国にアピールする「TKCふるさと求人情報」を開始しています。

 

ホームページは「お店」と同じ

自社のホームページは「お店」と同じです。お店であれば、毎日掃除をしたり、品揃えを工夫したり、きちんと接客します。それと同様に、ホームページを活かすためには、最低限度のことに留意しましょう。

ホームページの内容は毎日更新する。

ちょっとした問い合わせの電子メールにもすぐ返事を出す。

魅力的な品揃えをする。           など

 

自社のホームページを立ち上げ、さらにより成果を上げる条件

・得意分野に絞り込む。

・個別仕様に応じる。(顧客の要求に従来以上に応える)

・他社と常に比較する。(消費者のシビアな評価に耐え得るよう、常に他社と比較し自社商品等の品揃えや価格等を吟味する)

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