助川公認会計士事務所 | 起業と独立を支援 | 04/10/28 |
「経営者養成講座」 |
T.プログラムの概要
T−1
「経営者養成講座」とは(1)本講座の狙い
「企業は経営者の器以上の大きさにはならない」既に言い古された言葉かも知れません。しかし、これは真実です。
企業の盛衰はトップのマネジメント能力によって決定付けられます。
中堅・中小企業においては、トップの人格や姿勢、生きざま、更には、それらの根底にある彼自身の価値観が、他の経営陣に伝わり、それが幹部へ、そして一般従業員へと流れ、企業の風土・体質を形成します。
このことを十分に認識し、自らをレベルアップしなければいけないと日々努力される経営者もいらっしゃれば、「自社の問題は従業員にあり」と決めつける経営者もいらっしゃいます。悩むレベルにこそ差はありますが、経営者は数々の問題を抱えています。しかしながら、自社の問題をどれだけ正確に把握されていらっしゃるでしょうか。また、問題が明らかになったとしても的確な解決策を打ち出せる経営者はどの程度いらっしゃるでしょうか。本講座は、経営者自身と自分の会社の問題点を正確に捉え、導き出された問題の具体的解決策を立案・実践して頂くことを狙いとします。
(2)期待効果期待効果としては、以下のものがあります。
@ 経営者に必要とされる資質や能力を身につけていただく本講座では、
a.経営者としての社会的使命感及び情熱の涵養(かんよう)
b.会社経営に関する確かな見識と専門知識の習得
に焦点を合わせ、プログラムを組んでいます。
更に、毎回チャレンジ項目を決めていただき、各講座で習得したものを、自社で即実践し検証するように義務づけています。
A 本音で語り合い、動機づけし合える人間関係をつくる
本講座は、1年間という長期間、同じメンバー構成で実施されます。更にその間、同じ釜の飯を喰い、自分のこと会社のことを語り合います。
こうした過程の中で、受講生同士が本音で悩みを語り、互いに動機づけし合う関係が自ずとできてきます。
そして、それは講座後においても大きな財産として残っていきます。
(3)銀行として取り組む意義
銀行として本講座に取り組むことには、実に大きな意義があります。
まず第一に、本講座は中小企業トップの強いニーズを背景に作られたものであり、付加価値の高いものです。
第二に、本講座を契機として参加企業と銀行との関係が急速に強化されるということです。すなわち、経営に対する新しい視点、気付きを管理者や新入社員ではなく、直接経営者に与えることができますので、銀行に対する信頼も大きく膨らんで参ります。
T−2 プログラムの構成
本講座は、4つのステージによって構成されます。
第1ステージでは、受講生に、自分自身及び自社の組織風土について現状を分析していただき、経営者としての使命感を醸成していただきます。
第2ステージでは、自社の経営体質を、様々な角度からチェックし、経営体質の改善に向けた課題を明らかにしていただきます。
第3ステージでは、企業経営において最も重要な課題である“売上”に焦点をあわせ、具体的な行動革新の方向を検討していただきます。
最後に第4ステージでは、自分と自分の会社を成長させていくための将来的なビジョンづくりに取り組んでいただきます。
<各ステージの概要>
第1ステージ;「自分と自分の率いる会社の組織を見直す」経営者(後継者)としての自分自身と自分が率いる会社の“組織風土”ないしは“企業文化”の現状を見直していただきます。
これにより、自分が、経営者(後継者)として、いかなる役割を担っていかなければならないのか、そして、どのような自己革新を図っていかなければならないのかを明らかにしていただきます。
第2ステージ;「自分の会社の経営体質をチェックする」
自分の会社の経営体質を、経営活動の結果を表した“財務”面からチェックし、更に企業の向かうべき方向が明確にされているかどうか“戦略”面からチェックし、具体的な課題を効率的に推進させるための“管理”ができているかをチェックします。
このことにより、経営体質の改善に向けた具体的課題を総合的な見地から明らかにし、今後の施策を検討していただきます。
第3ステージ;「売上を拡大するためのポイントをつかむ」
企業経営において、最も重要な課題は、商品やサービスを“売る”ということです。
しかし、この課題を解決していくために、ただやみくもに活動したとしても良い結果は生まれません。
“売れる仕組み”を作り、営業活動をきちんと管理することが大切です。そこで本ステージでは、自社の経営構造を分析していただき、“売れる仕組み”を作っていくための課題を明らかにしていただきます。
そして、売上を拡大するために、顧客開拓、販売促進、商品開発面でどのような行動を推進していくかを考えていただきます。
第4ステージ;「自分と自分の会社の中期的なビジョンをつくる」
経営者(後継者)として、その事業を成長・発展させていくには、当面の対策を打っていくだけでは不十分です。
経営者としての自分の人生や会社の承継に向けて、中・長期的な計画をたてることが是非とも必要となってきます。
そこで、本ステージでは、人生設計プラン、中期経営計画の二つの中・長期計画のたて方を学んでいただきます。
T−3 本講座の基本理念
1.私は、私と共に生きる人のために生きよう。
私と共に、生きようとする人が増えるかどうかは、私自身が成長するかどうかにかかっている。私が成長を続ける限り彼等は生きがいを感じ、私のまわりに集まってくれるにちがいない。 |
<解 説>
例えば、トラックの運転手が一生懸命働いて、自分の車を買い、独立した会社をつくり、社員を採用したとします。
しかし、彼が、自分の懐を肥やすためだけに一生懸命になっていたら、まわりの人々は、その人と共にやっていこうとは思いません。
「社長である自分がこのようにやっていけるのは、社員のお陰である。社員のための会社をつくろう」と思いはじめたら、そのような社長のもとには人が集まってきます。
しかしそれだけでは、もっと優秀な人達は集まってきてくれません。もう一段高い社会的意義を求めている人は、「結局あの会社は自分達だけのために働いているのであって、社会的に意義のある仕事をしていないではないか」と、そのような経営者のもとで働こうとは思いません。特にその経営者以上の能力を持っている人は入ってきません。入てきたとしても しょう。
社長が、自分たちの仕事を社会のために役立てようと考えてやり始めたら、従来よりもっと高いレベルの人達が「この社長の理念を一緒になって達成しよう」と入ってきてくれるはずです。
自分と共に歩いてくれる人が増えるということイコール会社が成長することですから、絶えず自分が成長し、理念をグレードアップしていかなければなりません。
そのためには、一番身近な人達(妻・子供・父母)のために生きることから始まり、次には、従業員、地域社会、日本人、更には、人類のために生き続けることが自分のグレードアップにつながっていくのです。
まず、自分とかかわりのある人達のために生きようと決意することこそ皆が共に生きてくれるようになる原点なのです。
2.私は、私と共に生きる人達の成長に力を貸そう。 より多くの人達が幸せになるにちがいない。 |
<解 説>
こうして集まってきてくれた人達が、自分と生きていることで、本当に楽しいとかやりがいを感じる、いきいきとしている、となるためには、単にお金が儲かるだけでよいかというと、そうではありません。
もちろん社員の生活を豊かにしてあげることも大切ですが、それだけではなく、絶えず彼等自身の力が伸びていき、社会に貢献しているという生きがいを感じられるようにしてあげることこそ、彼等が楽しく自分のまわりで生きていけることにつながるに違いありません。だから、常に、彼等が成長できるように力を貸すということが大切になります。
「力を貸す」ということは、成長したいと思っている人にだけ援助するのではありません。人はともすれば、怠惰に流れてしまいがちなものですから、成長したいと思わせるような動機づけをし、疲れて気持ちがなえかけた人に再び「頑張ろう」と思わせるような元気づけをするなど、あらゆる角度から成長に力を貸すということです。
また、その人だけでなく、その奥さんや子供さんにも良い影響を及ぼしていくことができて初めて、その経営者が社会に存在する価値がある、ということになるのです
3.私は、私と共に生きてくれる人と共に、私たちに生きがいを与えてくれるこの社会に対して、何を以って報いることができるかを常に追求しよう。 |
<解 説>
自分の周囲の人達に力を貸すという身近なことを一生懸命やっているうちに、自然と影響を及ぼす範囲は広まっていきます。
そしてふと、経営者とは、本当にやりがいのある、しかも豊かな生活を送ることができる、実に有り難い仕事だと気づきます。
なぜ自分がこんな有り難い仕事についていられるのかと振り返ると、日本の社会が、平和な自由主義社会、つまり、徴兵されることもなく、まじめにやっていれば財産を略奪されることもない、という秩序ある社会だからである、と理解できるはずです。
理解できたら、せっかくこの素晴らしい社会が存在しているのだから、もっといい社会にするために、社会に対して何らかの形で返したい、貢献しなければいけない、と考えましょう。
この社会即ち、顧客、株主、取引先、もちろん隣人も、皆が幸せにならなければいけない、そのように視野を広めましょう
4.私は、次の後継経営者にバトンを渡すまで常に成長し続けよう。 でなければ、私は何一つ満足な事はできずに終わるだろう。私はそれだけの努力を続けるために必要な強固な意志と健康な体力を保持できるよう日常の生活態度を慎もう。 |
<解 説>
1〜3の姿勢で生きていくために、考えておいていただきたいこと、それは、苦しい、疲れたと思ったら後継者にバトンを渡すということです。
逆に言えば、バトンを渡すまでは、疲れたとか休みたいと思わないで常に成長し続けようと決意することです。
経営者は収入が多く、時間も自由で、会社が儲かっている限り尊敬もされます。経営者には怠惰になる誘惑が多いのです。その誘惑を振り切って1〜3の姿勢で生きていくためには、とにかく成長し続けることを前提としなければなりません。
その意志を持ち続けるためには、健康な体力が必要です。また、健全な日常生活を営んでいないと意志が崩れやすくなるものですから、怠惰な生活を慎むことが肝要なのです
T−4 年間カリキュラム
第1ステージ
自分と自分の率いる会社の組織を見直す
第2ステージ
自分の会社の経営体質をチェックする
第3ステージ
売上を拡大するためのポイントをつかむ
第4ステージ
自分と自分の会社の中期的なビジョンをつくる