助川公認会計士事務所 | 会社設立 | 08/08/05 |
会社の事業目的 |
事業目的の表現は、「具体性」、「明確性」、「営利性」、「適法性」等の条件を満たしている必要があります。定款の案を作成したなら、事前に法務局に相談することをお勧めします。
1.「具体性」「明確性」とは
単に「商業」や「貿易業」若しくは「製造業」等の書き方では具体性が欠けることとなります。具体性等についての基準はありませんが「○○販売業」、「○○の輸出入業」、「○○の製造業」等、社会通念上だれが見ても識別できるように表現します。
たとえば、「飲食業」では、具体性が欠けますが、「カフェバーの経営」であれば、具体的でわかりやすい、と言えます。
会社の事業目的は、いくらでも記載できますが、多すぎると、会社は何をおこなっているかわかりません。登記簿は、誰でも閲覧でき、銀行や公的機関にも提出することが多いので、実際、事業としておこなうものを記載すべきでしょう。
2.「営利性」とは
商法上の商人とは、「自己の名をもって商行為をなしそれを業とするもの」とされています。したがって、商人がその営業のために行う目的は営利性を有していなければなりません。例えば、「会社及び業界利益のための出資並びに政治献金」などは営利性がないこととなります。
3.「適法性」とは
法律で禁じられていたり、公序良俗に反する行為を事業目的とすることはできないということです。例えば、一定の資格を有する個人にのみに許可される業務を無資格で行う場合等が該当します。
適法性に反する事業、目的外事業を行った場合、一定の範囲において何等かの罰則規定が課せられるものと思われます。何故なら、商法上において社会とは、定められた目的の範囲内において権利義務の主体となるべく法人格を定められたものだからです。
ただし、定款などで事業目的の最後に「前各号に附帯関連する一切の業務」と付記することで、会社が目的に掲げた営業範囲内ならば、かなりの範囲をフォローすることが可能になります。
4.許認可事業の場合
会社がどのような事業を営むかについては、基本的に会社が自由に選定できます。ただし、事業の種類によっては、一般公安(質屋、古物商など)、保健衛生(飲食店営業など)、公共的利益(通運事業など)等の見地から事業の開始につき、行政庁の許認可が必要になるケースがあります。あらかじめ関係行政庁による許認可の要、不要を確認しておくことが望ましいでしょう。
5.定款には、次のように記載されます。(例示)
(目的)
第2条 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。
1. ソフトウェアの開発、販売及び保守
2. コンピュータ及びその周辺機器の設計、製造、販売及び保守
3. コンピュータのシステム利用に関するコンサルティング業
4. インターネットを利用した各種、情報提供サービス業
5. 前各号に附帯する一切の事業