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助川公認会計士事務所 個人の税務・所得税 09/02/21
確定申告のポイント 

・確定申告とは?

所得税は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について課税されることになっています。その所得金額と納めるべき税額を納税者自らが計算し、翌年2月16日から3月15日までの間に申告・納税することになりますが、その申告を所得税の確定申告といいます。

なお、納税ばかりでなく、医療費控除や住宅取得等特別控除を受ける場合なども確定申告をすることになります。

・確定申告をしなければならない人は?

次に当てはまる人は確定申告をしなければなりません。

1.事業所得や不動産所得などがある人

年間分の各種の所得金額の合計額から配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除その他の所得控除を差し引き、その金額をもとにして計算した税額が配当控除額と定率減税額との合計額よりも多い人は、申告しなければなりません。

2.給与所得がある人(条件あり)

勤務先から受け取る給料、賃金、賞与などを給与所得といい、企業などから給与を受けている人を給与所得者といいます。したがって企業の社長・役員も、給与所得者になります。

給与所得者のほとんどは通常、源泉徴収によって所得税を納め、年末調整を行っていますので、確定申告は必要ありませんが、次のような人は確定申告をしなければなりません。

(1)年間の給与の収入金額が2,000万円を超えている人

(2)給与を1か所から受けている人で給与所得や退職所得以外の各種の所得金額の合計額(家賃や原稿料などの副収入)が20万円を超えている人

(3)給与を2か所以上から受けている人で年末調整をされなかった給与の収入金額と給与所得や退職所得以外の各種の所得金額との合計額が20万円を超える人

(4)同族会社の役員やその親族などで、その同族会社からの給与の他に貸付金の利子、店舗・工場などの賃貸料、機械・器具などの使用料などの支払いを受けている人

(5)外国の在日公館に勤務する人や家事使用人などで、給与の支払いを受ける際に所得税を源泉徴収されないこととなっている人

(6)災害を受けた人で年間の給与について災害減免法により源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた人

3.退職所得がある人(条件あり)

退職所得については、通常は申告する必要はありませんが、退職金の支払を受ける際に、「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかったため、20%の税率で所得税を源泉徴収された人で、その源泉徴収税額が退職所得控除額等を適用して求めた税額よりも少ない人などは申告しなければなりません。なお退職所得を申告しなくてもよい人でも、それ以外の所得について上の1又は2に当てはまる人はそれ以外の所得については申告しなければなりません。

Q&A

・給与所得者で配当所得がある人は確定申告する必要がある?

原則としては、確定申告することになります。

配当所得とは、株主や出資者が法人から受ける配当や公社債投資信託以外の証券投資信託の収益の分配金などに係る所得をいい、所得税等の対象となります。

(1)配当所得金額の計算

配当所得金額は、次のように計算されます。

配当所得金額=収入金額−その株式などを取得するための借入金の利子

なお交通費や通信費などは必要経費として認められません。

(2)20%の税率で源泉徴収

配当所得には原則的に、配当などの支払いの際に20%の税率で源泉徴収されます。

(3)少額の配当は確定申告しなくてもよい

1銘柄につき、1回に支払いを受ける金額が5万円以下(年1回決算の場合は10万円以下)の少額配当については、確定申告をしなくてもよいことになっています。したがって、確定申告をせず20%の源泉徴収税額だけで済ませるか、あるいは確定申告をする(還付を受けられる場合がある)かの有利な方法を選択できます。

(4)源泉分離課税制度もある

国内法人などから受ける配当などのうち、次の要件をいずれも満たすものは、その配当を受ける人の選択により35%の源泉徴収で済ますことができます。

@1銘柄当たりの所有株式数がその会社の発行済株式総数の5%未満

A1銘柄当たり1回の配当金額が25万円(年1回決算の場合は50万円)未満

特に課税所得金額に対する実際の税率が35%を超える人などは利用を検討しましょう。

 

・給与所得者で不動産所得がある人は確定申告しなければならない?

個人が土地や建物などの不動産を貸し付けることによって得た所得をいい、所得税等の対象となります。こういった所得が年間20万円を超えると、確定申告の必要があります。

不動産所得としては、例えば次のようなものが該当します。

<原則的に不動産所得に該当する主なもの>

地代、家賃、権利金、礼金、更新料、名義書換料、返金不要敷金・保証金。また、ネオンサインの設置や広告などのために土地や建物の一部(塀や壁なども含む)を利用させた場合の使用料など

(1)不動産所得金額の計算

不動産所得金額は次のように計算します。

不動産所得金額=収入金額−必要経費

不動産収入を得るための「必要経費」としては、主として次のようなものがあります。

@貸付用資産購入資金の借入金利息

A貸付用資産への損害に備える火災保険料等

B貸付用資産の維持のための修繕費

C貸付用資産に係る固定資産税、印紙税等

D貸付用資産の減価償却費            など

 

還付申告 ・確定申告をすれば税金が戻る人

次の(1)〜(5)に当てはまる人で、源泉徴収された税金や予定納税した税金が納めすぎになっている人は、還付を受けるための申告(還付申告)をすることができます。

還付申告は2月15日以前でも受け付けています。

(1)所得が少ない人で、総合課税の配当所得や原稿料などがある人

(2)給与所得者で、雑損控除や医療費控除、寄付金控除、住宅借入金(取得)等特別控除、政党等寄付金特別控除などを受けることができることができる人

(3)年の中途で退職した後就職しなかった人で、年末調整を受けなかった人

(4)退職所得がある人で、その所得を含めて申告することにより源泉徴収された所得税について定率減税の適用を受けることができる人

(5)予定納税をしている人で、確定申告の必要がなくなった人

*給与所得者で確定申告をする必要がない人(給与所得や退職所得以外の各種の所得金額の合計額が20万円以下の場合など)が、還付申告をする場合には、給与所得や退職所得以外の各種の所得金額についても申告しなければなりません。

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