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助川公認会計士事務所 個人の税務・所得税 04/05/30
所得税関係の改正 平成15年度

1.配偶者特別控除の見直し

  配偶者特別控除のうち控除対象配偶者(合計所得金額38万円以下の配偶者)について配偶者控除に上乗せして適用される部分(最高額は所得税38万円、個人住民税33万円)の控除が廃止されます。

  なお、この改正は、平成16年分以後の所得税(個人住民税は平成17年度分以後)から適用となります。

2.住宅ローン控除の適用要件の拡大

  住宅ローン控除の適用を受けていた者が、勤務先から勤務命令などやむを得ない事由により住宅を居住用にしなくなった後、その事由が解決して、その住宅に再び入居した場合には、一定の要件の下で、その再入居以後住宅ローン控除の再適用を受けることができるようになります。つまり、一度転出した後に再居住した場合における住宅ローン控除の再適用が認められるということです。

  なお、この適用は、平成15年4月1日以後に居住の用に供しなくなった場合です。

 3.「エンジェル税制」の適用要件緩和など

  従来の優遇措置に加え、特定中小会社(ベンチャー企業)への投資額について、同一年分の株式譲渡益から特別控除できるほか、適用要件が緩和されます。

 

4.配当課税の見直し

a.上場株式等の配当金に対する源泉徴収税率の特例

  平成15年4月1日以後に支払いを受ける一定の上場株式等の配当金については、表9のような優遇措置が講じられます(所得税)。また個人住民税についても、平成16年1月から源泉徴収が実施されます。

       優遇税率

配当の支払時期 源泉徴収税率
〜平成15年3月31日 20%(源泉分離課税は35%)
平成15年4月1日〜15年12月31日 所得税 10%
平成16年1月1日〜20年3月31日 所得税 7%+ 、個人住民税 3%
平成20年4月1日〜 所得税 15%+ 、個人住民税 5%

 

b.上場株式等の配当所得に係る申告不要の特例の適用上限額が撤廃されます(所得税)。

  ※個人住民税については、申告不要制度が創設され、少額配当に係る所得割の非課税措置が廃止されます。

 

c.株式等に係る配当所得の源泉分離選択課税の特例(源泉徴収税率35%)は、平成15年3月31日をもって廃止されます(所得税)。

 

5.投資信託課税の見直し

  公募株式投資信託については、平成16年1月1日以後、従前の利子並みの課税の対象から除外した上、次の措置が講じられます。

ア.公募株式投資信託の利益の配分を上途(1)の1の源泉徴収税率の特例および2の適用上限を付さない申告不要の特例の対象とすることとされます。

イ.公募株式投資信託の償還・中途解約による損失について、株式等に係る譲渡所得等の金額との通算が可能とされます。

 

6.上場株式等に係る譲渡所得等についての優遇措置の創設と見直し

  平成15年1月1日以後5年間に上場株式等を売却した場合、その上場株式等に係る譲渡所得等について、10%(所得税7%、個人住民税3%)の優遇税率により課税する特例を創設し、それに伴い次の特例が平成15年分から廃止されます。

1 長期所有上場株式等に係る譲渡所得等に対する暫定税率10%(うち個人住民税3%)の特例

2 長期所有上場特定株式等の譲渡所得に係る100万円の特別控除の特例

 

7.源泉徴収口座等の改善

  個人投資家が、証券会社に開設する「特定口座」(源泉徴収口座・簡易申告口座)制度について、次のような改善措置が講じられます。

 1 平成16年以後の源泉徴収口座における源泉徴収方式が改善され、年間分一括納付方式に変更されます。

 2 個人住民税についても、平成16年1月1日から、特別徴収(源泉徴収)方式を実施するとともに、申告不要制度が導入されます。

 3 源泉徴収口座に係る特定口座年間取引報告書の税務署長等への提出が不要となります。

 4 平成15年4月1日から同16年12月31日までの間の時限措置として、一定の要件の下で、源泉徴収口座または簡易申告口座に、自己が保管している上場株式等を、実際の取得日・取得価額またはみなし取得日(平成13年10月1日の価額の80%相当額)で受け入れることができることになります。

 

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