助川公認会計士事務所 | 個人の税務・所得税 | 04/05/30 |
住民税その他税金 平成16年度税制改正 |
(1)個人住民税の均等割の税率等の見直し
@平成16年分以後の市町村民税の均等割について、人口段階別の税率区分を廃止し、その税率を年額で3,000円に統一されます。
従前 |
改正後 |
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人口50万以上の市 |
3,000円 |
3,000円 |
人口5万以上50万未満の市 |
2,500円 |
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その他の市および町村 |
2,000円 |
A個人住民税均等割の納税義務を負う夫と生計同一の妻で、夫と同じ市町村内に住所を有する者に対する非課税措置が平成17年度から段階的に廃止され、所得金額が一定額(例:パート収入100万円)を越えるものに均等割を課税(同17年度分は2分の1の額で課税、同18年度分から全額で課税)されます。
(2)個人住民税の非課税限度額の引下げ
平成16年度分以後の個人住民税について、所得割および均等割の非課税限度額が次のとおり引き下げられます。なお次の@、Aの加算額は控除対象配偶者および扶養親族がいる場合のみ加算されます。
@所得割の非課税限度額
従前 |
所得金額≦35万円×家族数+加算額36万円 |
改正後 | 所得金額≦35万円×家族数+加算額35万円 |
A均等割の非課税限度額
従前 |
所得金額≦35万円×家族数+加算額24万円 |
改正後 |
所得金額≦35万円×家族数+加算額22万円 |
(3)商業地等の固定資産税の見直し
商業地等に係る固定資産税について、負担水準の上限が法定された70%の場合に算定される税額から、地方公共団体の条例の定めるところにより。負担水準60%から70%の範囲内で条例で定める負担水準により算定される税額まで、一律に減額することができるようになります。これにより、実質的に60%から70%の範囲内で条例で定める負担水準まで上限を下げた場合と同様の効果が生じます。都市計画税にも同じ仕組みが創設されます。
※ 「商業地等」とは、オフィスビル用地、工業用地などの住宅用地以外の土地です。
(4)自動車税のグリーン化
自動車税について、排出ガス性能および燃費性能の優れた環境負荷の小さい自動車は税率を軽減し、新車新規登録から一定年数を経過した環境負荷の大きい自動車は税率を重くする措置(自動車税のグリーン化)が講じられます。
<自動車税に係るグリーン化税制>
対象車種 |
税率 |
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環境負荷の小さい自動車 |
・ 平成17年自動車排気ガス基準値より75%以上排出ガス性能の良い自動車で燃費基準値より5%以上燃費性能の良い自動車 ・ 電気自動車・メタノール自動車・天然ガス自動車 |
50%軽減※1 |
・平成17年自動車排出ガス基準値より75%以上排出ガス性能の良い自動車で燃費基準を満たすもの |
25%軽減※1 |
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・平成17年自動車排出ガス基準値より50%以上排出ガス性能の良い自動車で燃費基準値より5%以上燃費性能の良い自動車 |
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環境負荷の大きい自動車 |
・ディーゼル車で新車新規登録から11年を経過したもの |
10%重課※2 |
・ガソリン車またはLPG車で新車新規登録から13年を経過したもの |
※1 平成16年度および平成17年度に新車新規登録された自動車に対して、登録の翌年度に適用される。
※2 平成16年度および平成17年度に要件に該当する自動車に対して、その翌年度から適用される。
(5)相続税などの一部見直し
・特定事業用資産の相続税の課税価格の計算の特例
特定事業用資産についての相続税の課税価格の計算の特例について、対象となる特定同族会社株式等の価額の上限が現行の3億円から10億円に引き上げられます。適用は、平成16年1月1日以後に相続もしくは遺贈または贈与により取得する同族会社株式等に係る相続税・贈与税からです。