助川公認会計士事務所 | 個人の税務・所得税 | 06/03/26 |
所得税関係の改正 平成1 8年度 |
(1)定率減税の廃止
各年分の所得税額について税額控除として認められていた定率減税が、次のように平成18年分で半減、同19年分から廃止されます。
平成17年分以前 | 所得税額の20%相当額(20%相当額が 25万円を超える場合は25万円) |
平成18年分 | 所得税額の10%相当額(10%相当額が 12万円を超える場合は12万5千円) |
平成19年分以後 | 0円(定率減税廃止) |
(2)所得税の税率の細分化
いわゆる三位一体改革の一環として行われる所得税から個人住民税への税源移譲について、平成19年分以降の所得税の税率構造が次のように5%〜40%の6段階に改められます。同時に地方税も改められます。
従前 |
改正後 |
||
適用課税所得 |
税率 |
適用課税所得 |
税率 |
330万円以下の金額 |
10% |
195万円以下の金額 |
5% |
330万円以下の金額 |
10% |
||
900万円以下の金額 |
20% |
695万円以下の金額 |
20% |
900万円以下の金額 |
23% |
||
1800万円以下の金額 |
30% |
1800万円以下の金額 |
33% |
1800万円超の金額 |
37% |
1800万円超の金額 |
40% |
(3)地震保険料控除の創設
損害保険料控除を見直して、次のような地震保険料控除が創設されます。
ア.居住用家屋・生活用動産を保険または共済の目的とし、かつ、地震等を原因とする火災等による損害に係る地震等相当部分の保険料または掛金(以下「保険料等」という)の金額(最高5万円)が総所得金額から控除されます。
イ.経過措置として、平成18年12月31日までに締結した長期損害保険契約等(上記アの適用のものは除く)に係留「保険料等は、従前の損害保険料控除が適用されます。(最高1万5千円)。
上記のアとイを適用する場合は合わせて最高5万円とし、適用は、平成19年分以後の所得税からです。
(4)既存住宅の耐震改修に係る特別税額控除制度の創設
居住者が、平成18年4月1日から同20年12月31日までの間に、一定の区域内において、その人が居住している家屋(昭和56年5月31日以前に改築された家屋で一定のもの)の耐震改修(建築基準法に基づく耐震改修をいう)をした場合、その年分の所得税額から、その住宅耐震改修の費用の10%相当額(その金額が20万円を超える場合には20万円)が所得税額から控除されます。
(5)寄附金控除の適用下限額の引下げ
所得控除される寄附金控除について、適用下限額が次のように引き下げられ、寄附をする側の税負担が軽減されます。
寄附金控除の適用下限額 |
従前 |
改正後 |
1万円 |
5千円 |
(6)勤労学生控除の対象の拡大
所得控除である勤労学生控除について、その対象となる専修学校および各種学校の範囲に、特定の法人が設置する専修学校等以外の一定の要件を満たす専修学校等が加えられます。
(7)給与の源泉徴収票等の電子交付
給与等の支払いに際して受ける側の承諾等一定の要件の下、書面による給与所得の源泉徴収票もしくは給与等の支払明細書などの交付に代えて、電磁的方法により提供することができるようになります。 ただし支払いを受ける側からの請求があったときは、書面による給与の源泉徴収票等を交付しなければなりません。
適用は、平成19年1月1日以後に交付する給与の源泉徴収票等からです。