助川公認会計士事務所 | 個人の税務・所得税 | 10/11/20 |
パート社員の税金と扶養控除 |
1.パート社員は年収がいくらなら税金はゼロか?
パート・アルバイトの収入がいくらまでなら税金(所得税・住民税)がかからないのか、税金や社会保険の扶養家族の枠内におさまるのか。
@所得税は、年収103万円以下
通常、パートの年収が103万円以下でほかに収入がなければ、所得税はかかりません。
所得税の場合、給与収入から、給与所得控除65万円と基礎控除38万円との合計103万円が差し引かれ、残った金額に税金がかかるため、103万円が1つの目安になります。
A住民税は、年収103万円以下でもかかる場合がある
住民税は、年収100万円(給与所得控除65万円+住民税の非課税限度額)のラインが1つのポイントになります。
パートの収入が100万円以下でほかに収入がなければ、住民税はかかりません。ただし、市区町村によっては、100万円以下であっても、住民税がかかる場合があります。
そもそも住民税には、所得の額にかかわらず、均等の額を負担する均等割と、所得金額に対して課税される所得割があります。
所得税については、年収100万円以下であれば、住民税はかかりませんが、均等割については、市区町村によっては、年収93万円を超えるとかかる場合があります。
住民税の標準税率は、所得税が10%(都府県民税4%、市町村民税6%)、均等割(年額)が4000円(道府県民税1000円、市町村民税3000円)です(一部自治体で税率が異なります)。課税の対象となる年収の期間は、所得税がその年、住民税が前年となります。
2.夫の扶養家族の枠内とは
パート・アルバイトで働く主婦の収入によって、ご主人の扶養家族から外れることがあります。
@パート収入が103万円を超えると夫が配偶者控除を受けられない
妻のパート収入が103万円以下であれば、夫は自身の所得から38万円の配偶者控除を受けることができます。
また、妻のパート収入が103万円を超えると配偶者控除を受けることができなくなりますが、パート収入が141万円未満で、夫の所得が一定以下であれば、夫は自身の所得から、配偶者特別控除を受けることができます。
パート収入と夫が受ける配偶者控除と配偶者特別控除
配偶者のパート収入 103万円以下 103万円超 105万円未満 105万円以上 110万円未満 110万円以上 115万円未満 115万円以上 120万円未満 120万円以上 125万円未満 125万円以上 130万円未満 130万円以上 135万円未満 135万円以上 140万円未満 140万円以上 141万円未満 141万円以上 |
配偶者控除 38万円 − − − − − − − − − − |
配偶者特別控除 − 38万円 36万円 31万円 26万円 21万円 16万円 11万円 6万円 3万円 − |
Aパート収入130万円以上で社会保険の扶養家族からはずれる
パートで働く主婦の年収が130万円以上になると、夫の社会保険の扶養控除(被扶養者)からはずれてしまいます。この場合、国民健康保険や国民年金の第一号被保険者に加入しなければならないため、保険料の負担が発生してしまいます。
なお、所定労働時間によっては、収入に関係なく社会保険に加入しなければなりません。
収入と税金、社会保険の扶養家族の関係はとおりになります。
パート収入と税金、社会保険の扶養家族の関係
|
パート本人の税金 |
夫の配偶者控除の適用 |
夫の社会保険の扶養家族 |
||
給与収入 |
所得税 |
住民税 |
配偶者控除 |
配偶者特別控除 |
|
100万円以下 |
非課税 |
非課税 |
有 |
無 |
○ |
100万円超 103万円以下 |
非課税 |
課税 |
有 |
無 |
○ |
103万円超 130万円以下 |
課税 |
課税 |
無 |
有 |
○ |
130万円超 141万円以下 |
課税 |
課税 |
無 |
有 |
× |
141万円以上 |
課税 |
課税 |
無 |
無 |
× |
市町村によっては住民税(均等割)が課税されます。