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助川公認会計士事務所 相続税・贈与税 04/05/30
相続税・贈与税の改正 平成15年度

相続税・贈与税については、次世代への資産移転の円滑化を促すために、相続税・贈与税を一体化した相続時精算課税制度の創設や最高税率の引下げなど、半世紀ぶりの大きな改正が行われます。

(1)相続時精算課税制度の創設

1 新制度のあらまし

   一定範囲の生前贈与については、選択制により、生前贈与時に軽減された贈与税を支払い、その後の相続時に生前贈与財産と相続財産の合計額をもとに計算した相続税から、すでに支払った贈与税を控除して精算する贈与税・相続税を通じた納税方式によることができます。

 2 相続時精算課税制度による贈与税による課税

ア.適用できる贈与

 65歳以上の親(贈与者)から20歳以上の子である推定相続人(代襲相続人を含む)(受贈者)への生前贈与に限られます。

イ.適用対象財産など

   贈与財産の種類や金額、贈与回数に制限はありません。

ウ.非課税枠

   受贈者単位で2,500万円まで(複数年の贈与については、合計額が2,500万円に達するまで)は、贈与税は課税されません。

   ※両親からの生前贈与について、ともにこの制度を選択した場合、贈与者ごとに2,500万円まで非課税になります。

エ.適用税率

   一律20%の税率が、非課税枠を超える部分に対して適用されます。

オ.贈与税額の計算

   この制度を選択した受贈者は、選択した年分以後のこの制度に係る贈与者(親)からの贈与財産については、他の贈与財産と区別して、その贈与者からの贈与財産の累積額(非課税枠超過額)をもとに計算した各年分の贈与税額を申告し、納税します。なお、この制度を選択した年分以後、この制度に係る贈与税の計算については、一般の基礎控除額(110万円)は控除できません。

   ※この制度を選択した受贈者であっても、この制度に係る贈与者(親)以外の者から贈与を受けた場合には、その贈与財産の合計額から一般の基礎控除額(110万円)を控除し、一般の贈与税の税率を適用して各年分の贈与税額を計算します。

カ.適用時期

   平成15年1月1日以後の相続または贈与から適用。

 

3 相続時精算課税制度による相続税の課税

 この制度を選択した受贈者(子)は、この制度に係る贈与者(親)からの相続時に、選択した年分以後の生前贈与財産と相続(遺贈)財産とを合算して、現行の課税方式(法定相続分による遺産取得課税方式)により計算した相続税額から、すでに支払っ      たこの制度に係る贈与税相当額を控除して、納付すべき相続税額を算定します。なお、相続財産と合算する生前贈与財産の価額は、贈与時の時価によります。

 ※この制度に係る贈与者(親)の相続時に精算した結果、この制度に係る贈与税相当額で相続税額から控除しきれない金額があるときは、その金額の還付を受けることができます。

 

4 手続き

  この制度を選択しようとする受贈者(子)は、適用を受けようとする最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、贈与税の申告書にその旨の届出書を添付して提出する必要があります。

  ※この選択は、受贈者である兄弟姉妹がそれぞれ、贈与者である父、母ごとに選択することができます。なお、最初の贈与の際の届出により、贈与者の相続時までこの制度が継続して適用され、途中で取りやめることはできません。

 

5 住宅取得等資金に係る相続時精算課税の特例の創設

  従来の「住宅取得資金等の贈与に係る贈与税の特例」が2年間の経過措置を残して廃止され、新たに、相続時精算課税制度の下で、3年間の時限措置として、次のような「住宅取得等資金の贈与についての特例」が創設されます。

ア.あらまし

 20歳以上の特定受贈社(贈与者の直系卑属である推定相続人)が自己の居住用である一定の家屋を取得するための資金または自己の居住用家屋について一定の増改築のための資金の贈与を受けた場合には、贈与税の課税上、最高1,000万円の特別控除額を控除することができます。なお、この特例は、65歳未満の親からの贈与についても適用されます。

 ※この特例による特別控除額は、相続時精算課税制度の非課税枠(2,500万円)の上乗せ措置となっています。したがって、例えば平成15年中に親から3,000万円の住宅取得等資金と500万円の一般の贈与を受けている場合、相続時精算課税制度を選択することにより、まず、住宅取得等資金のうち1,000万円を先取りしてこの特例の特別控除の対象とし、残りの2,000万円と一般贈与の500万円の計2,500万円を相続時精算課税の非課税枠(2,500万円)の対象とすれば、15年分については受贈財産(3,500万円)の全額が非課税扱いになります。

 

イ.主な適用条件

区分 床面積 築後経過年数・工事費用
住宅の新築・取得買換え・建替え 50u以上 既存住宅の場合のみ  耐火建築物:築後25年以内、 非耐火建築物:築後20年以内
住宅の増築、改築、大規模修繕等 増改築後

50u以上

工事費用100万円以上

 

ウ.適用時期など

  平成15年1月1日から同17年12月31日までの間に贈与により取得する金銭について適用されます。現金以外の資産の贈与には適用されません。

 

6 旧住宅取得資金等の贈与に係る贈与税の特例の経過的存続

 ア.経過措置の期間

  従来の住宅取得資金等の贈与に係る贈与税の特例(5分5乗方式)は、相続時精算課税制度を選択しない受贈社が平成17年12月31日までの贈与により取得した「住宅取得資金等」について、適用することができます。

 イ.新旧特例の重複適用の排除

  アにより、平成15年1月1日以後に贈与により取得した住宅取得資金等について、旧住宅取得資金等に係る贈与税の特例の適用を受けた者は、その後5年間は、その贈与者からの贈与について、相続時精算課税を選択できません。

 

(2)相続税・贈与税の最高税率の引下げなど

1 相続税の税率の軽減

 相続税の最高税率が70%から50%へ引き下げられ、税率構造も9段階から6段階へ簡素化されました。適用は平成15年1月1日以後の相続から適用されます。

<新税率による相続税の速算表>

             (平成15年1月1日以後の相続)

各法定相続人の取得金額 税 率 控 除 額
〜1,000万円

〜3,000万円

〜5,000万円

〜    1億円

〜    3億円

3億円超〜

10%

15%

20%

30%

40%

50%

      0万円

     50万円

    200万円

    700万円

  1,700万円

  4,700万円

 

2 相続税の税率の軽減

 相続時精算課税制度の対象とならない贈与財産に係る贈与税については、次のように、最高税率が70%から50%へ引き下げられ、税率構造も13段階から6段階へ簡素化されます。適用は平成15年1月1日以後の贈与から適用されます。

  <新税率による贈与税(暦年課税)の速算表>

             (平成15年1月1日以後の贈与)

課税価格 税 率 控 除 額
〜  200万円

〜  300万円

〜  400万円

〜  600万円

〜1,000万円

1,000万円超

10%

15%

20%

30%

40%

50%

0万円

10万円

25万円

65万円

125万円

225万円

 

(3)その他

1 相続税額の2割加算の拡大

 被相続人の養子となったその被相続人の孫(代襲相続人である者を除く)が相続税額の2割加算制度の対象に追加されます。

 

2.生命保険の権利の法定評価の廃止

 生命保険に関する権利の法定評価の規定について、所要の経過措置を講じた上で廃止し、原則として個々の契約に係る解約返戻金の額によって評価することになります。

 

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