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助川公認会計士事務所 BTzeimu.gif (1548 バイト) 会社の税務 10/05/22
外国子会社配当益金不算入制度の導入

国際税務 外国子会社配当益金不算入制度の導入 

わが国企業が海外市場で獲得する利益の国内還流に向けた環境整備のため、間接外国税額控除制度に代えて、外国子会社からの配当について親会社の益金不算入とする制度を導入した。

適用は、21年4月1日以降。

 

1.外国子会社配当益金不算入制度の概要

@概要

その配当の95%相当額が益金不算入にする。

内国法人が外国子会社から受ける配当等の額について、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しないこととする制度が導入される。これに伴い、間接外国税額控除制度は、所要の経過措置等を講じた上、廃止される。

A従来の制度

 現行では、外国子会社から配当を受けた場合には、その配当の全額を益金に算入するとともに、外国子会社が納付した外国法人税には間接外国税額控除制度が、また、配当に係る源泉所得税は直接外国税額控除又は損金算入制度が認められている。

ところが、税率の低い国の外国子会社の場合には、その控除限度額が低いため、超過分は我が国で課税されることになる。このため、国際的に事業を展開する企業は資金管理政策において我が国への配当を避けることになり、外国子会社の内部留保は多額となっているものと推定される。 

B導入の目的

そこで資金を還流し、国内における資金の活用を図るため、外国子会社から配当された場合には、当該配当金は益金不算入とすることとされた。

従来、外国税額控除は法人事業税には認められていなかったが、海外子会社配当益金不算入制度は、法人住民税(法人税割)及び法人事業税についても同様の措置を講ずることとしており、その効果は大きいものと考えられる。

しかしその一方で、現行の外国税額控除方式の控除限度額は所得の種類や国別に計算されるのではなく、一括して計算される。そのため、低税率国の所得について生じた控除限度額の余裕部分を用いて、日本の税率よりも高い税率で課税される外国法人税の控除を取ることができる。 

C「外国子会社」とは

制度の対象となる「外国子会社」とは、内国法人が外国法人の発行済株式等の25%以上の株式等を、配当等の支払義務が確定する日以前6月以上引き続き直接に有している場合のその外国法人をいう。

なお、外国法人の所得に課された外国法人税を内国法人の納付する法人税から控除する旨を定める租税条約の規定により、内国法人の外国法人に対する持株割合について異なる割合が定められている場合には、本制度の対象となる外国子会社の判定は、その割合により行うこととされる(例えば、米国10%、フランス15%となっている)。 

この適用については、確定申告書に益金の額に算入されない配当等の額及びその計算に関する明細を記載するとともに、一定の書類の保存を要する。

 

2.外国子会社配当益金不算入制度の会計処理

 @配当益金不算入は95%相当額

 内国法人が外国子会社から受ける配当等の額につき益金不算入とする際、その配当等の額の5%に相当する金額を、その配当等の額から控除する。

 この結果、外国法人から受ける配当は95%相当額が益金不算入となる。5%相当額は、その配当を行うための費用(例えば、負債利子、管理人件費)に相当するものとみなしている。

 A適用時期

 この改正は、内国法人の平成21年4月1日以後に開始する事業年度において受ける外国子会社からの配当等について適用される。

B企業会計の処理

 企業会計においては、この制度の導入に伴い、外国子会社の留保利益に対して「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」第34項に基づいて繰延税金負債を、また、「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」第25項に基づいて繰越外国税額控除予定額を繰延税金資産に計上している場合には、経過措置にも留意しながらこれらを取り崩すことになるため、注意を要する。

 また、連結財務諸表に与える影響として、低税率国子会社の利益の比重が増大すると、連結ベースの実効税率は低減することになる。

 

3.外国税額控除制度の改正―間接税額控除制度が廃止に―

外国子会社配当益金不算入制度の創設に伴い、経過措置を設けた上、間接外国税額控除制度が廃止される。

 また、内国法人が外国子会社から受ける配当等の額に対して課される外国源泉税等の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しないこととするとともに、外国税額控除の対象としないこととされている。

これは、外国子会社からの配当金が益金不算入になることから、当該配当に係わる源泉税の控除を認めなくても、実質的に国際的な二重課税が生じないためであると思われる。

 この改正は、内国法人の平成21年4月1日以後に開始する事業年度において受ける外国子会社からの配当等について適用される。

4.外国子会社合算税制

外国子会社配当益金不算入制度の創設に伴う改正です。

タックスヘイブン対策税制は、我が国では昭和54年に導入され、当初はタックスヘイブン国を指定していたが、その後、国地域指定方式を廃止し、実効税率が25%以下である場合に、このタックスヘイブン対策税制を適用することとされた。

今回の改正では、このタックスヘイブン対策税制という旧名称を外国子会社合算税制としている。

 内国法人等の特定外国子会社等に係る所得の課税の特例(いわゆる外国子会社合算税制)等について、次の措置が講ぜられる。

 

@特定外国子会社等の支払う配当等の額の不控除

 特定外国子会社等が支払う配当等の額は、合算対象とされる金額の計算上控除しない。

 現行の外国子会社合算税制では、外国子会社の所得金額は親会社の所得金額に合算されることになるため、外国子会社が配当を行った場合には、当該配当の額は控除することとしている。

今回の改正では、この控除を認めないものとし、その代わりに、当該配当は益金不算入とする以下の制度を創設した。

 

A特定外国子会社等が受ける配当等

 特定外国子会社等が、その子会社(特定外国子会社等が他の法人の発行済株式等の25%以上の株式等を、配当等の支払義務が確定する日以前6月以上引き続き有している場合の他の法人)から受ける配当等の額及び他の特定外国子会社等から受ける配当等の額のうち、合算対象とされた金額から充当されたものは、合算対象とされる金額の計算上控除する。

なお、その控除は、確定申告書に明細書の添付がある場合に限り適用される。

 現行では、特定外国子会社が配当等を受け取った場合には、当該受取配当等は合算対象金額に含められていた。

この改正は、内国法人が特定外国子会社等でない孫会社の利益を、特定外国子会社等を経由して受け取ること、又は特定外国子会社等である孫会社の利益を他の特定外国子会社等を経由して受け取ることにより生じる二重の合算課税を調整するための規定であると思われる。

 

B内国法人が特定外国子会社等から配当等

内国法人が特定外国子会社等から配当等(外国子会社配当益金不算入制度により益金の額に算入しないこととされるものを除く。)を受ける場合には、その配当等の額のうち、内国法人の配当等を受ける日を含む事業年度及び当該事業年度開始の日前10年以内に開始した各事業年度において、当該特定外国子会社等につき合算対象とされた金額の合計額に達するまでの金額は、益金の額に算入しないこととする。

すなわち、内国法人が特定外国子会社等から配当等を受ける場合には、その配当等のうち、当該特定外国子会社等につき合算対象とされた金額の合計額に達するまでの金額は、益金の額に算入されない。

ただし、合算対象とされた金額は、内国法人の配当等を受ける日を含む事業年度及び事業年度開始の日前10年以内に開始した各事業年度において合算対象とされた金額に限ることとしている。

なお、内国法人が特定外国子会社等から受ける配当等の額のうち、上記の合算対象とされた金額の合計額に達するまでの金額に係る費用等の額については、損金の額に算入する等の措置を講ずるものとしている。

この改正は、内国法人が特定外国子会社等から配当等(特定外国子会社等の平成21年4月1日以後に開始する事業年度に係るものに限る。)を受ける場合について適用される。

 

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