助川公認会計士事務所 | 会社の税務 | 09/04/12 |
平成21年度税制改正 会社税務 |
適用は、平成21年4月1日以降から適用です。
平成21年度税制改正の内容は、景気回復を図る観点から減税が中心となっています。
1.中小企業の軽減税率の引下げ(中小企業のみ)
中小企業の軽減税率を18%に引下げます。
中小法人等の平成21年4月1日から同23年3月31日までの間に終了する各事業年度の所得金額のうち、年800万円以下の金額に対する法人税の軽減税率がこれまでの22%から18%に引き下げられます。
中小企業の軽減税率
所得金額 年800万円超の部分・・・30%
所得金額 年800万円以下の部分・・・18%(従前の22%から4%軽減)
2.欠損金の繰戻し還付制度の復活(中小企業のみ)
中小法人等の平成21年2月1日以後に終了する各事業年度において生じた欠損金額については、欠損金の繰戻しによる還付制度が適用できるようになります。
これにより、例えば平成21年3月の決算が赤字の企業の場合、前期の年間所得からその赤字を差し引いた額で前期の法人税を計算し直して、納めた法人税の一部が還付されることになります。
3月決算会社の場合
平成20年3月期 平成21年3月期 (平成20年度分の申告)
(平成19年) (平成20年) 平成19年度分の法人税が還付される
黒字 ←相殺→ 赤字 ⇒ 還付
3.税務署届け出の簡素化
@ 役員給与の事前届出の記載の簡素化
役員給与の事前確定届出給与の届出について、その役員の前期の給与及び他の役員の給与の記載を省略し簡素化が図られます。
A 棚卸資産の評価方法の見直し
棚卸資産の評価方法について、選択できる評価方法だった後入先出法及び単純平均法の二つがはずされます。
B 試験研究費の特別税額控除制度の範囲拡大
産業技術力強化法の一部改正に伴い、試験研究費に係る特別税額控除制度について、特別試験研究費の範囲に、改正後の同法に規定する試験研究独立行政法人と共同して行う試験研究に係る費用及び同法人に委託する試験研究に係る費用が加えられます。
4.土地の税務について
@ 土地等の先行取得をした場合の課税の特例の創設
事業者が、平成21年1月1日から同22年12月31日までの間に、国内の土地等を取得し、その取得日を含む事業年度の確定申告書の提出期限までに、この特例の適用を受ける届出書を提出している場合、その取得日を含む事業年度終了日後10年以内に、その事業者の所有する他の土地等を譲渡したときは、その先行して取得をした土地等について、他の土地等の譲渡益の80%相当額(その先行して取得した土地等が平成22年1月1日から同22年12月31日までの期間内に取得をされたものである場合には60%相当額)を限度として、圧縮記帳ができることになります。
※ 土地等が棚卸資産である場合には、この適用はできません。
A 取得した土地等の長期譲渡所得からの1,000万円特別控除制度の創設
平成21年1月1日から同22年12月31日までの間に取得をした国内にある土地等で、その年の1月1日においては所有期間が5年を超えるものを譲渡した場合には、
その年中のその譲渡に係る長期譲渡所得の金額から1,000万円(その長期譲渡所得の金額が1,000万円に満たない場合には、その長期譲渡所得の金額)が控除されます。
この特別控除は、個人も同様となります。
5.租税特別措置の縮減・廃止・延長
@「縮減等」
・ 事業革新設備の特別償却制度
対象となる計画から共同事業再編計画に係る措置及び技術活用事業革新計画に係る措置を除外するとともに、償却割合を25%(従前30%)に引き下げた上、その適用期限が2年延長されます。
A「廃止」
・ 電子計算機買戻損失準備金制度
B「延長」
以下のような事項の適用期限が延長されます。
・特定の資産の買換えの場合等の課税の特例における、長期所有の土地、建物等から国内にある土地、建物、機械装置等への買換え |
3年延長 |
・中小企業等基盤強化税制 ※本税制に統合されている中小企業者等の教育訓練費に係る税額控除制度も2年延長されます。 |
2年延長 |
・障害者を雇用する場合の機械等の割増償却 |
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・事業所内託児施設等の割増償却 |
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・公益法人等又は協同組合等の貸倒引当金の特例における繰入限度額を100分の116とする措置 |
6.優良賃貸住宅の割増償却制度の割増率の見直し
優良賃貸住宅の割増償却制度(通常の減価償却のなかに5年間にわたって割増して償却できる)における高齢者向け優良賃貸住宅に係る措置について、次のとおり割増率の見直しをした上、その適用期限が2年延長されます。
一定の認定支援施設と一体として整備が行なわれた支援施設一体型高齢者向け優良賃貸住宅及び認定支援施設
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従前 |
改正後 |
耐用年数35年未満であるもの |
28% |
40% |
耐用年数35年以上であるもの |
40% |
55% |
前記の支援施設一体型高齢者向け優良賃貸住宅以外の高齢者向け優良賃貸住宅
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従前 |
改正後 |
耐用年数35年未満であるもの |
28% |
20% |
耐用年数35年以上であるもの |
40% |
28% |
※ 「中小法人等」とは、次の法人です。
@ 普通法人のうち、各事業年度終了の時において資本金額などが1億円以下である法人または資本もしくは出資を有しない法人(保険業法の相互会社等は除く)
A 公益法人等又は協同組合等
B 人格のない社団等 など