助川公認会計士事務所 | 交際費の税務 | 04/05/30 |
社内会議と出前 |
1.会議に関連して「出前」をとった場合の費用
社内会議に関連して、近所の飲食店からいわゆる「出前」をとる場合の費用は交際費に該当しないと考えてよい。
措通62(1)−16にいう「会議に際して……通常供与される昼食の程度を超えない飲食物等の接待に要する費用」には、当然「出前」のものも含まれます。昼食となれば社内に調理施設のないのが通常でしょうから、「出前」をとるのが普通でしょう。従って、紅茶、コーヒー等、社内で用意されるものに限られません。つまり茶菓、弁当などを近所の飲食店から「出前」でとっても、交際費に該当しません。
2.取引先の来訪者のために「出前」をとった場合の費用
商談のために来訪した取引先のため、「出前」をとって簡素な茶菓、弁当等の提供をしても、交際費に該当しないと考えられる。取引先との商談も会議だから、通常の昼食程度の飲食物の接待費用は交際費に該当しない。
会議には、来客との商談、打合せ等が含まれますので(措通62(1)−16(注))、商談のために来訪した取引先に昼食程度の飲食物等の接待をしても、交際費には該当しません。こうした来訪者に通常の茶菓、弁当等を提供するのは社会常識としての礼儀にすぎず、接待、きょう応に類する行為に該当しないからです。
この点は来訪者に「出前」をとっても、あるいは近所の喫茶店、飲食店に案内しても、それが通常の茶菓、弁当等の提供をするためのものであれば変りません。提供する飲食物等の内容が同じ場合、提供する場所によって取扱いを変える理由がないからです。ただし社外で提供するとなりますと金額もかさみ、社内で提供するときよりも豪華になりがちで、税務調査において交際費とみられやすいと思います。従って、措通62(1)−16の「通常供与される昼食の程度を超えない飲食物等」という点に十分御注意ください。
3.料亭等で行った会議の費用
会議を行うのに社内に適当な場所がない場合、ホテル、料亭等を借りて行いますと、会議に関連しての通常要する費用と考えられれば、交際費に該当しません。つまり、社外で会議を行っても会議としての実体を備えたものであれば交際費に該当しません。
措通62(1)−16にいう社内以外の通常会議を行う場所とは、例えば市民会館、労働会館などの会議室等が該当すると考えられますが、措通62(1)−16は、会議とか食事をする場所を規制しているのではなく、昼食の程度を示しているのです。
交際費に該当するかどうかはその実体によって判断すべきで、ホテル、料亭等で行っても会議としての実体を備えたものであれば、その会議に通常要する費用は交際費に該当しません。例えば会議場の賃借料、会議中の通常の喫茶、食事代、会議の都合上宿泊を要するときの宿泊料等は、会議費として認められます。
従って会議のあとで宴会を行う場合は、ホテル、料亭等に依頼して会議に要した費用と宴会に要した費用の部分は交際費に該当しないものとすることができます。この場合、招待旅行と会議とを併せて実施したとき、会議に係る部分の費用は交際費に含めないという措通62(1)−13の取扱いが参考になります。