助川公認会計士事務所 | 会社の税務 | 09/01/24 |
固定資産か消耗品費か |
備品は金額によって税金の扱い(会計処理の方法)が違います。
1.10万円と20万円が分岐点
@ 10万円未満で購入した備品
基本的に購入して事業供用した日に全額を損金とします。
会社が税込み経理を採用している場合には消費税込みの金額で、税抜き経理を採用している場合には消費税抜きの金額で金額基準の判断をします(以下も同様です)。
A 10万円以上20万円未満で購入した備品
資産計上しますが、工具器具備品といった通常の資産計上の方法のほか、「一括償却資産」という特別な資産に計上することが認められています。
通常の資産では、各資産の細目に応じて定められた耐用年数で減価償却を行いますが、一括償却資産はどのような資産を購入したかに関わらず、すべて3年(36ヶ月)で均等償却します。
B 20万円以上で購入した備品
工具器具備品などの固定資産に計上し、耐用年数に応じて減価償却をしています。
2.青色申告には特典
期間限定で青色申告には特典が
会社が青色申告の場合、様々な特典があります。
取得価額が30万円未満の固定資産(土地などを除く)を取得した場合、合計金額が300万円を超えない範囲内において、全額を購入時の損金とすることができます。
また、一定の要件に該当する固定資産を取得した場合、取得価額の30%の特別償却や7%の税額控除などができる規定が設けられています。
ただし、適用を受けられる期間や会社、物品にも制限があるので、規定を注意深く見る必要があります。
特別償却とは、通常の減価償却費に加え追加で減価償却費を計上できる特典で、税額控除とは税額自体を直接減額できる特典です。
しかし、利益が出ている会社には、これらの特典は有効ですが、赤字の会社には、ほとんど、関係ありません。赤字が増えるだけです。
3.一括償却資産の会計処理
購入した年月日に応じて月割計算はせず、事業年度の期首日に取得したとされます。
例えば事業年度12ヶ月の3月決算法人では、3月中に購入した一括償却資産でも、償却費を1/12(カ月)とせず、12/36(カ月)として計上することになります。
なお、中途で除却や売却があったとしても、除却損等を計上せず3年間償却を計上し続ける決まりとなっている点に注意が必要です。
4.減価償却制度の変更
この制度は平成19年度の税制改正で大幅に変更となりました。
以前は有形固定資産については取得価額の95%までしか償却できず、5%は売却あるいは除却時まで固定資産として計上し続ける必要がありました。
今は、備忘価額(1円)を残し全額が償却可能となります。