助川公認会計士事務所 | 会社の税務 | 09/02/14 |
固定資産税 |
◇固定資産税のあらましと留意点
土地や家屋、償却資産に対して課税される地方税である固定資産税。市町村税の41%を占める重要な財源となっています。 ♪固定資産税とはどんな税金?固定資産税の概要は次のとおりです。
(1)土地や家屋等にかかる
固定資産税は土地、家屋などの不動産や償却資産にかかる税金です。
<ポイント>
「償却資産」とは例えば、事業に使われる機械や事務所の什器備品などをいいます。ただし、次のようなものは償却資産から除かれます。
・営業権や特許権などの無形減価償却資産
・自動車税や軽自動車税がかかる自動車や軽自動車 など
*墓地や公共の用に供する道路などには固定資産税はかかりません。
(2)固定資産税を納めるのは固定資産の所有者
固定資産税を納める人(納税義務者)は、毎年1月1日現在の固定資産の所有者です。市町村(一部例外的に道府県)では、前述のような資産の所有者の状況を登記などの資料から台帳に記録し、毎年1月1日現在の所有者に納税通知書を送付することになります。
<ポイント>
・「所有者」とは、固定資産課税台帳に所有者として登録されている者です。具体的には、土地課税台帳、家屋課税台帳、償却資産課税台帳等に登録されている個人や法人ということになります。
・年の途中で所有権の異動などがあったとしても、納税義務者は1月1日現在の所有者となります。
(3)固定資産税の計算方法は?
固定資産税は次の計算式で算出されます。
固定資産税額=固定資産税課税標準額×標準税率1.4%(制限税率2.1%)
<ポイント>
・「固定資産税課税標準額」とは、固定資産税課税台帳に登録されている「固定資産の価格」に住宅用地の特例措置や土地の税負担の調整措置などの特例措置を講じた後の金額をいいます。
・「固定資産の価格」は固定資産評価基準に基づいて評価され、市町村長が決定します。
・具体的な税率は、各市町村の条例によって定められます。
(4)固定資産税額は市町村から通知される
通常、固定資産税額は市町村から通知されます。そしてその税額を原則として4月、7月、12月、翌年2月の4回に分けて行うことになりますが、市町村により異なる場合がありますので確認が必要です。
<ポイント>
同一市町村で同一人が所有する固定資産の課税標準額が土地30万円、家屋20万円、償却資産150万円に満たない場合には課税されません。
♪固定資産税の留意点固定資産を所有しているために固定資産税を納税している企業は多いと思われますが、固定資産税に対する関心は一般的に低いようです。固定資産税について、次の事項には留意してください。
(留意点1)土地と家屋に係る固定資産の価格は3年に1度見直され、評価替えが行われる |
特に平成12年度は評価替えが実施されますので、評価替え後の所有する固定資産の価格等がいくらかチェックする必要があります。なお、平成12年度税制改正についても確認しておきましょう。
(留意点2)「固定資産課税台帳の縦覧」期間に固定資産の価格を確認する |
「固定資産課税台帳の縦覧」とは同台帳に登録された固定資産等の価格等を関係者に知らせ、価格等に不服がある場合には不服申し立ての機会を与えようというものです。この縦覧の手続きによって、固定資産課税台帳に登録された事項は確定し、公に効力を持つことになります。したがって、所有する固定資産の価格等を固定資産課税台帳で必ず確認するようにします。
なお縦覧期間は、原則として3月1日から20日以上の期間とされていますが、最近は制度改正等の関係でこの縦覧期間の開始を4月に繰り下げている市町村が多いようです。関係する市町村に確認しておきましょう。
(留意点3)課税台帳の登録事項に不服がある場合は審査の申し出ができる |
例えば、所有する固定資産について、固定資産課税台帳に登録されている価格に不服がある場合は、審査の申し出ができます。この審査の申し出は、縦覧期間の初日から納税通知書の交付を受けた日後30日までの間、または、縦覧の日以後における価格の決定・修正等の通知を受けた日から30日以内に文書で行うことになります。
(留意点4)納税義務者はあくまでも1月1日現在の所有者 |
不動産の売買における固定資産税は、実際上の売買とは関係なく、毎年1月1日現在に所有している者に係る税金です。