助川公認会計士事務所 | 交際費の税務 | 10/04/14 |
交際費の範囲 |
交際費等とは、交際費、接待費、機密費、その他の費用であるが、名目にかかわらず実質で判断する。得意先、仕入先、その他事業に関係のある者に対する接待、供用、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用をいう。
間接的に支出した交際費
直接その法人の営む事業に取引関係のある者だけでなく、間接にその法人の利害に関係のある者及びその役員、従業員、株主等も含まれる。支出の方法としては、その法人が直接支出したもののみならず、間接支出した次のようなものも交際費の支出に含まれる。
@2以上の法人が共同して接待、供用、慰安、贈答その他これらに類する行為をして、その費用を法人が負担した場合。
A同業者の団体等が接待、供用、慰安、贈答その他これらに類する行為をして、その費用を法人が負担した場合。
B法人が団体等に対する会費その他の経費を負担した場合においても、その団体が専ら団体相互間の懇親のための会合を催す等のために組織されたと認められるときの会費等の負担。
取引の内容・事例による交際費とその他費用との区分
番号 |
内 容 ・ 事 例 |
勘定科目 |
1 |
取引先等を旅行、観劇等に招待する費用(卸売業者が製造業者又は他の卸売業者から受け入れる2番(次項目)の負担額相当額を除く。) |
交際費 |
2 |
製造業者又は卸売業者がその製品又は商品の卸売業者に対し、その卸売業者が小売業社等を旅行、観劇等に招待する費用の全部又は一部を負担した場合のその負担額 |
交際費 |
3 |
総会対策等のために支出する費用で、総会屋等に対して会費、賛助金、寄附金、広告料、購読料等の名目で支出する金品に係るもの。 |
交際費 |
4 |
建設業者等が高層ビル、マンション等の建設に当たり、周辺の住民の同意を得るために、その住民又は関係者を旅行、観劇等に招待し、又はこれらの者に酒食を提供した場合におけるこれらの行為のために要した費用 (周辺の住民が受ける日照妨害、風害、電波障害等による損害を補償するためにその住民に交付する金品は、交際費に該当しない。→当初からその支出が予定されているものについては取得価額に算入される) |
交際費 |
5 |
スーパーマーケット業、百貨店業等を営む法人が既存の商店街等に進出するに当たり、周辺の商店等の同意を得るために支出する運動費等(営業補償等の名目で支出するものを含む。)の費用 {主として地方公共団体等に対する寄附金の性質を有するもの及び繰延資産(公共的施設等の負担金)の性質を有するものは、交際費等には該当しない。} |
交際費 |
6 |
得意先、仕入先等の従業員に対して取引の謝礼等として支出する金品の費用 |
交際費 |
7 |
建設業者等が工事の入札等に際して支出するいわゆる談合金、その他これに類する費用 |
交際費 |
8 |
専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用 |
福利厚生費 |
9 |
カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐい、その他これらに類する物品(多数の者へ配付目的の広告宣伝効果を意図する少額物品)を贈与するために通常要する費用 |
広告宣伝費 |
10 |
会議(来客との商談、打ち合わせ等を含む。)に関して、茶菓、弁当、その他これらに類する飲食物(昼食の程度を越えないもの)を提供するために通常要する費用 |
会議費 |
11 |
新聞、雑誌等の出版物又は放送番組を編集するために行われる座談会、その他記事の収集のために、又は放送のための取材に通常要する費用 |
取材費 |
12 |
不動産を営む法人が、土地の販売に当たり、一般の顧客を現地に案内する場合の交通費・食事・宿泊のために通常要する費用 |
販売促進費 |
13 |
旅行斡旋業を営む法人が、団体旅行の斡旋をするに当たって、旅行先の決定等の必要上、その団体の責任者等特定の者を事前にその旅行予定地に案内する場合の交通費、食事、宿泊のために通常要する費用 (旅行先の旅館業者等がこれらの費用を負担した場合におけるその負担した金額を含む。) |
販売促進費 |
14 |
新製品、季節商品等の展示会等に得意先等を招待する場合の交通費・食事・宿泊のために通常要する費用 |
販売促進費 |
15 |
自社製品又は取扱商品に関する商品知識の普及等のため、得意先等にその製品又は商品の製造工場等を見学させる場合の交通費・食事・宿泊のために通常要する費用 |
販売促進費 |