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助川公認会計士事務所 BTzeimu.gif (1548 バイト) 交際費の税務 04/10/28
下請会社の従業員のために支出する費用

 下請会社の従業員のために支出する費用について、福利厚生費とすべきか、交際費とすべきか、実態により判断されます。

 委託先へ出向している専属下請企業の従業員のための福利厚生費は、交際費に該当しない考えられます。福利厚生費は本来自己の従業員を対象として支出するものに限られますが、専属下請の従業員については、自己の工場内や工事現場等で業務に従事している場合、実質的に自己の従業員と同様の事情にあり、福利厚生活動においても特に区別した取扱いをしない事例があると思われます。このため次に掲げる費用についてはその実体からみて交際費に該当しないものとされています。形式的には下請企業への業務委託のために要する費用の一環ですが、実質的には専属下請企業の従業員のための福利厚生費ということができます。(措通62(1)14の2)

1 法人の工場内、工事現場等において、下請企業の従業員がその業務の遂行に関連して災害を受けたことに伴い、その災害を受けた下請企業の従業員に対し自己の従業員に準じて見舞金品を支出するために要する費用

2 法人の工場内、工事現場等において、無事故等の記録が達成されたことに伴い、その工場内、工事現場等において経常的に業務に従事している下請企業の従業員に対し、自己の従業員とおおむね同一の基準により表彰金品を支給するために要する費用

3 法人が自己の業務の特定部分を継続的に請負っている企業の従業員で専属的に当該業務に従事している者(例えば検針員、集金員等)の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用を負担する場合のその負担額

4 建設会社ですが工事現場で働く下請の職人の慰労のために、終業後の飲食代は福利厚生費でよい。

 工事現場で専属の下請従業員に一杯飲ませても通常のものなら福利厚生費でよいと思われる。下請の職人は、形式上は社外の者ですが、工事現場で専属的に業務に従事している以上、慰安に関しては社内の従業員と同様に考えて差支えありません。(措通62(1)142(3))また工事現場での終業後ときどき作業員が集まって一杯飲むのは、派手なものでない限りごく自然な慰労の行為であり、そのために通常要する費用は福利厚生費の域を出ないものと思います。従って交際費には該当しません。

 ただし、福利厚生費として認められるのは現場監督に渡した金が使用されたときで、現場監督の手許にある間は仮払金にすぎません。従って現場監督から金一封の使途及びその残高の報告を受けておくことが必要です。

 なお、単に下請関係にあるにすぎない企業の従業員に対して上記のような費用を支出した場合は、交際費に該当します。

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