助川公認会計士事務所 | 会社の税務 | 09/10/15 |
消費税 原則課税の計算方法 |
原則課税の計算方法
具体的に、企業は売上等の取引時に消費税を預かり、仕入等の取引時に支払います。
原則課税の計算方法は、この預かった消費税から支払った消費税を控除した金額が納付する消費税になります。
文章では、こうなりますが、実務上は,複雑です。
(1)課税区分分類集計表の作成
納付する消費税等を計算するために、預かった消費税等と支払った消費税等を集計し計算する必要があります。この集計のために課税区分分類集計表を作成します。
課税区分分類集計表とは、取引ごとに消費税の課税区分(課税売上、輸出免税売上、非課税売上、課税仕入、対象外売上、非又は対象外仕入)の分類を行い、それを集計したものです。
具体的に、勘定科目ごとに消費税の課税区分を分類します。
● 貸借対照表科目の注意点
貸借対照表の勘定科目のうち消費税の課税区分に関係するものの代表として、固定資産の取得があります。
● 損益計算書の注意点
損益計算書の勘定科目の残高は、固定資産売却益を除き、消費税の課税区分の合計と一致します。
固定資産の売却については売却損益でなく売却価格が課税売上に該当します。
● 実務的な処理
実務的には、仕訳を会計ソフトに入力するときに、仕訳で使用した勘定科目について消費税の課税区分(課税売上、輸出免税売上、非課税売上、課税仕入、対象外売上、非又は対象外仕入)を入力するシステムになっているので、会計ソフトを使って課税区分分類集計表を作成することができます。
(2)具体的計算
消費税課税区分分類集計表を基礎に次のように計算を行います。
@課税売上高の計算
税込課税売上高×100/105
199,500,347×100/105=190,000,330
A課税売上割合の計算
課税売上高+輸出免税売上高/課税売上高+輸出免税売上高+非課税売上高=190,000,330/190,000330+0+600=0.9999
(課税売上高割合が95%未満の場合はE以降の計算方法が異なります。
B課税標準の計算
課税売上高の千円未満を切り捨てた金額
190,000,000
C消費税の計算
課税標準×4%
190,000,000×4%=7,600,000
D控除金額の計算
課税仕入に係る消費税の計算
課税仕入(税込)×4/105
84,000,000×4/105=3,200,000
E差引税額の計算
D―E=4,400,000(百円未満切捨)
F地方消費税の計算
E×25%
4,400,000×25%=1,100,000
G納付する消費税
F+G=5,500,000
予定納税額がないものとして計算しています。