助川公認会計士事務所 | 会社の税務 | 2021/10/07 |
消費税 インボイス制度 「適格請求書発行事業者」登録 |
「適格請求書発行事業者」登録をおこなう
(1) 仕入税額控除のためには必須
令和5年10月1日から「適格請求書等保存方式」(いわゆる「インボイス制度」)が導入されます。課税事業者である買い手は、「適格請求書(インボイス)等」を保存しないと仕入税額控除ができなくなります。「適格請求書等」は「適格請求書発行事業者」だけが発行できるため、売り手は登録申請をして「適格請求書発行事業者」になる必要があります。新制度導入後は、買い手が、売り手に対して「適格請求書発行事業者」であることを求めるようになると予想されます。※「適格請求書等」とは、一定の事項が記載された請求書や納品書、レシート、領収書等をいいます
なお、「適格請求書発行事業者」登録は、販売する商品に軽減税率対象品目があるかどうかに関係ありません。また、消費者や免税事業者へは「適格請求書等」の交付義務がありません。
◎事業者が納付すべき消費税額の計算方法
納付すべき消費税額=課税売上にかかる消費税額−課税仕入等にかかる消費税額(仕入税額控除といいます)
(2)登録事業者は国税庁が公表
事業者の仕入税額控除に大きく影響することから、「適格請求書発行事業者」に登録した事業者の氏名や登録番号等は登録簿に登載され、国税庁のホームぺージで公表されます。
◎具体的な公表事項
●適格請求書発行事業者の氏名または名称
●登録番号、登録年月日(取消、失効年月日)
●法人の場合、本店または主たる事務所の所在地
その他、事業者から公表の申出があった場合、次の事項も公表できます
●個人事業者:主たる屋号、主たる事務所の所在地
●人格のない社団等:本店または主たる事務所の所在地
(3)登録申請書の提出は、いつまでにおこなうか
「適格請求書発行事業者の登録申請書」の受付開始から、「適格請求書等保存方式(インボイス制度)が始まるまでにスケジュールは次のとおりです。登録申請書の提出後、審査に一定の時間を要しますので、早めに提出するようにしましょう。
登録申請書の受付開始 令和3年(2021年)10月1日消費税 インボイス制度 「適格請求書発行事業者」登録 登録申請書の受付終了 令和5年(2023年)3月31日
適格請求書等保存方式の導入 令和5年(2023年)10月1日
(4)請求書様式の変更が必要
「適格請求書等」に対応するためには、請求書様式の記載事項の変更が必要となります。
「適格請求書発行事業者」が交付する請求等として「登録番号」の記載はもちろん、「適用税率」や「税率ごとに区分した消費税額等」の記載も必要です。自社の請求書や領収書等に登録番号の表示ができるように事前に準備しておきましょう。
(5)登録申請が必要な事業者
「適格請求書等」を発行するのは基本的に消費税課税事業者であるため、課税事業者が登録をすることになります。
免税事業者が登録をするためには、「消費税課税事業者選択届出書」を提出し、課税事業者となる必要があります。だたし、令和5年10月1日を含む課税期間中に「適格請求書発行事業者」の登録を受けた場合は、登録を受けた日から課税事業者となるため、「消費税課税事業者選択届出書」の提出は必要ありません。
(6)「適格請求書発行事業者」の登録申請方法
「適格請求書発行事業者の登録申請書」を税務署に提出しましょう。
(7)「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」導入に当たっての事前準備
売り手
@請求書等の様式(フォーマット)の変更。
B必要に応じて、レジや経理・販売・受注システムなどのシステムの投資・改修等。
Dインボイス制度に係る社員研修の実施。
@必要に応じて、経理・購買・発注システムなどのシステムの投資・改修等。
Bインボイス制度に係る社員研修の実施。