助川公認会計士事務所 | 会社の税務 | 06/10/22 |
役員の範囲及び定期同額給与について |
1.法人税法における役員の範囲
@法定(形式上)の役員
取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事および清算人
「法定(形式上)の役員」とは、法人の設立や運営等に関する根拠法令(株式会社の場合は「会社法」)の規定などによって役員とされる者をいいます。例えば、会社法で役員と規定されている「取締役、会計参与、監査役」は、税法上も当然に役員とされます。
A法人税固有の役員(みなし役員)
すべての法人に適用 | 法人の使用人以外の者(相談役、顧問など)で、実質的に法人の経営に従事している者 |
同族家族のみに適用 | 同族会社の使用人で、その同族会社の中心的な株主グループの一員であるなどの要件を満たし、実質的に法人の経営に従事している者 |
税法上の役員の範囲はさらに広く、法定(形式上)の役員ではないが、実質的に法人の経営に従事しているなどの要件を満たす者は、税務上役員として扱われます。これを「みなし役員」といいます。
2.定期同額給与
「定期同額給与」とは、次の2つの要件を満たす給与をいいます。
@【定期要件】支給時期が1か月以下の一定の期間ごとであること
A【同額要件】その支給時期における支給額が事業年度を通じて原則同額であること
3.定期同額給与には該当しない例
・支給額は事業年度を通じて同額だが、支給時期が四半期ごとである
→「定期要件」を満たしていない
・毎月一定日に支給しているが、支給額が月によって異なる
→「同額要件」を満たしていない
4.定期同額給与として扱われる例
@期首から3か月以内に増額改定された定期給与
@ | 改定が期首から3か月以内であること |
→「例」3月決算法人なら6月末までに改定 | |
A | 改定前の各支給時期(その事業年度内に限る)における支給額が同額であり、かつ、改定以後の各支給時期(その事業年度内に限る)における支給額が同額であること |
→「例」3月決算法人が5月の株主総会で、社長への月々の報酬を50万円から60万円に改定し、6月分から増額する場合、改定前の4月および5月分の報酬は50万円同額であり、6月から翌年3月までは毎月60万円同額であること |
A経営状況の著しい悪化等の理由により期中に滅額改定された定額給与
@ | 滅額改定であること |
→改定時期に関する要件はありあせん(期首から3か月以内でなくてもよい) | |
A | 改定前の各支給時期(その授業年度内に限る)における支給額が同額であり、かつ、改定以後の各支給時期(その事業年度内に限る)における支給額が土井菟額であること |
B法人から役員に継続的に与えられている経済的利益(住宅家賃の負担、金銭の無利息貸付けなど)のうち、その利益の額が毎月おおむね一定であるもの