助川公認会計士事務所 | 会社の税務 | 10/05/22 |
特殊支配同族会社の役員給与の損金算入制限 |
【平成22年4月1日以後に終了する事業年度から適用されない】
1.特殊支配同族会社の役員給与の損金算入制限
「特殊支配同族会社」に該当する場合は、その法人の業務主宰役員(業務を取り仕切っているオーナー役員等であり、一般的には社長です。)に支給する給与のうち、給与所得控除額に相当する金額は、原則として損金に算入されません。(平成18年4月1日以後開始の事業年度から)。
特殊支配同族会社が業務主宰役員に支給する給与とは、
@法人が役員に与える経済的利益(債務免除、無利息貸付け等)を含む
A退職給与を除く
B定期同額給与等に該当しないことなどにより、損金不算入とされるものを除く
2.業務主宰役員給与のうち、損金不算入となる金額
役員の給与の金額に応じて、損金不算入額が異なります。
業務主宰役員給与額 |
損金不算入額 |
0〜650,000円以下 | 給与の全額 |
650,000円超〜1,625,000円以下 | 650,000円 |
1,625,000円超〜1,800,000円以下 | 給与額×40% |
1,800,000円超〜3,600,000円以下 | 給与額×30%+ 180,000円 |
3,600,000円超〜6,600,000円以下 | 給与額×20%+ 540,000円 |
6,600,000円超〜10,000,000円以下 | 給与額×10%+1,200,000円 |
10,000,000円超〜 |
給与額× 5%+1,700,000円 |
3.「特殊支配同族会社」とは
「特殊支配同族会社」とは、その事業年度終了時点で、次の(1)と(2)のいずれの要件にも該当する同族会社です。
要件(1) | 「業務主宰役員」および「業務主宰役員と特殊の関係のある者」(注1)がその同族会社の発行済株式総数等の90%以上保有している場合、または、その同族会社の議決権(注2)総数の90%以上を有している場合 |
要件(2) | 「業務主宰役員+役員として常に職務に従事する業務主宰役員関連者」数が常に職務に従事する役員の総数の半数を超えている場合 |
(注1)「業務主宰役員と特殊の関係のある者」とは、次のような業務主宰役員の同族関係者。 | |
@ 業務主宰役員の親族 | |
A 業務主宰役員の内縁関係者 | |
B 業務主宰役員の使用人 | |
C @〜B以外の者で、業務主宰役員から受ける金銭等によって生計を維持している者 | |
D A〜Cの親族で、A〜Cと生計を一にする者 | |
E 業務主宰役員および上記@〜Dの者が支配している他の同族会社 等 | |
(注2)「議決権」 | |
イ 事業の全部または重要な部分の譲渡、解散、合併、分割等についての議決権 | |
ロ 役員の選任・解任についての議決権 | |
ハ 役員の給与についての議決権 | |
ニ 配当についての議決権 |
※合名会社、合資会社については、上記のケースのほかに、事業主宰役員とその同族間関係者が社員(または業務執行社員)総数90%以上を占める場合も、特殊支配同族会社に該当します。