助川公認会計士事務所 | 人事労務 | 09/01/24 |
会社が従業員のための退職金を確保する方法 |
1.退職金支給基準を定める
まず、退職金を支払うかどうかを明確にしましょう。
退職金の支給は当たり前だと思っている従業員もいますが、支払える体制もないのに、退職金を支給することにしてしまうと、将来トラブルになりかねません。採用時に退職金の有無をはっきりさせておく必要があります。
退職金を支払うと決めた場合は、どのような退職者にどれだけの額の退職金を支払うかという支給基準を決めましょう。
通常は、勤続年数や退職理由などで支給の有無や退職金額を決めることになります。
2.退職金の確保方法
中小企業退職金共済制度を利用することが1つの方法です。
この制度を利用することができるのは、従業員数300人以下の製造業や100人以下の卸売業、50人以下の小売業などです。
会社は、毎月掛け金を納めて、従業員が退職の際に退職金を受給することができるように備えます。掛け金は5,000円から30,000円の16段階中から選ぶことになります。
掛け金は全額会社負担です。
一度、掛け金を選択すると、掛け金の増額変更はいつでもできますが、減額変更をするには減額変更を従業員が同意した場合などの一定の条件を満たさなければなりませんので注意が必要です。
また、この制度は、雇用するパートにも適用することができ、掛け金は上記の金額よりも低い金額を選択することができるようになっています。
勤続年数の長いパートに退職金の支給を考えている会社には利用しやすい制度と言えるでしょう。
3.中小企業退職金共済(中退共)の加入要件
業種 従業員数、資本金
サービス業 100人以下または5千万円以下
卸売業 100人以下または1億以下
小売業 50人以下または5千万円以下
その他の一般の業種 300人以下または3億円以下
掛け金
・社員
5,000円から30,000円までの16段階の中から選択します。
・パートタイマー等
5,000円から30,000までの16段階に加え、2,000円、3,000円、4,000円も選択することができます。