助川公認会計士事務所 | 人事労務 | 04/10/28 |
ヤル気のある社員 |
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ヤル気のある社員に育てるには 4月は、新入社員が職場に入ってくる時期です。社員に「ヤル気」をもって仕事に取り組んでもらわないと、企業の業績も良くなりません。・ヤル気を引き出す条件とは
社員に「ヤル気」を起こさせるには、いくつかの条件が考えられます。次の事項で自社をチェックしてみましょう。
<社員のヤル気を引き出す職場度チェック>
@社員が仕事にやりがいをもてるか
社員に仕事の達成感あるいは仕事の意義を感じられるようにすることが必要です。
A社員自身の努力が反映されるか
仕事の上での努力が適正に評価される組織風土や仕組みができていますか。評価が公正になされ、人事考課に反映されることが必要です。
B上司は率先して仕事をしているか
上司が怠けている姿を見せたりすると、部下は必ずだらけます。
C経営者あるいは管理職が公私混同をしていないか
経営者等は、口先だけのきれい事を並べて指示をするのではなく、身をもって公正さを示すことが重要です。
D信賞必罰が明確でメリハリがあるか
誉めることとしかることが、しっかりと行われていなければなりません。
E上司は部下の状態に気を使っているか
例えば、部下が疲れすぎていないか、仲間の中で孤立していないかといったことにも気を配り対処します。
F指示等が丁寧でフォローをしているか
なぜその仕事をするのか分かるように、指示命令を出す必要のある場合があります。なお指示等を出した後のフォローをきちんとすることも必要です。
G若者の感性を取り入れているか
フレッシュな感性の職場にするために、若者の感性に迎合するのではなく、その感性を理解し取り入れるようにします。
H労働条件と労働環境は適正か
労働条件と労働環境が世間水準を保っていることが必要です。
I職場の将来に不安はないか
いつどうなるか分からない不安を抱えていては良い仕事はできません。日頃から経営をオープンにするなど、社員に不安を抱かせない経営が必要です。
J管理職の人間的資質や実務能力の向上を図っているか
管理職として適していない上司を持った部下はそれだけで不幸です。管理職の実務能力と人間的資質を伸ばす教育等を実施していることが重要です。
K社員に対し教育研修はきちんと行っているか
社員教育は、企業を発展させる上で必要不可欠なものです。集合研修やOJTなどで、社員の実務能力と資質の向上を図るようにします。また、自社の業界に関連した雑誌や業界紙などは必ず購読し社員にも読ませ、業界動向等の情報をおさえるようにしましょう。
ヤル気を上手に引き出している企業の事例 |
ヤル気を上手に引き出している企業の事例
社員のヤル気を引き出すには、具体的にはどのようにしたらよいのでしょう。社員のヤル気をうまく引き出すことに成功している企業の例を紹介します。
事例1 :実力本位で社員の能力を発揮させる
合板製造機械の設計と試作を主体としているA社は、数多くの特許と実用新案を持っているのが特徴で、社員の自発的な研究が盛んです。
このA社は、学歴も年功も関係なく、社員一人ひとりの自由な発想とお互いのディスカッションが土壌となって仕事が進められています。そのやり方としては、常にいくつかのプロジェクトチームが必要に応じて結成され、そのグループワークで仕事が進められていきます。そして仕事が達成されればプロジェクトは解散します。
出退社の時間も自由でタイムカードもありません。その代わり社員には自己責任がいっそう強く求められることは言うまでもなく、それだけに社員は自分の仕事に張り合いを持って取り組んでいるのです。
事例2:社長以下管理職が率先して働きムダがない |
100円ショップを経営するB社では、事務管理部門は少数精鋭で活気に満ちています。
その要因の一つに、責任のある管理職ほど自ら率先して忙しく働き、ムダを省いていることにあるようです。さらに、上司は責任を持って部下をフォローしており、一人の社員がこなす仕事の量は多いのですが大きなミスは少なく、職場は活気に満ちています。
B社長は管理職に対して常日頃「部下に仕事を任せるということは、自分の権限を放棄することではない」といっています。
事例3:社員の考えを仕事に反映させることでヤル気を引き出す
ジャムやドレッシングを製造するC社は、社員の大半が20歳代という若手主体の会社ですが、味や品質の点で高級なものを志向し消費者に受け入れられ成功しています。
C社では、社員が自社製品に対して自信と誇りとを持って仕事をしています。その背景には必要に応じて結成し、自由に解散する委員会をはじめとする柔軟な組織体制があります。この仕組みによって、社員が自分の考えを仕事に反映させることができ、風通しの良い組織風土となって社員のヤル気を高めているのです。
さらに若手社員のフレッシュな感性も充分に汲み上げられて、様々な製品に活かされ業績に貢献しています。
事例2:社長以下管理職が率先して働きムダがない |
ビルや工場のメンテナンスを事業としているD社は、社員全員が60歳以上という会社ですが、創業10年ながら元気印の優良企業となっています。
まず採用に関しては「健康」「実務能力」「人柄」などを十分に見極めて採用しています。いったん定年退職したとはいえ各社員は豊富な経験や技術等も身につけており、その質は極めて高いといいます。正社員として再び第一線で働いているわけですが、年齢に関係なく本人の実力をそのまま認めているため張り合いを持って仕事をしています。
シルバー活用についても「ヤル気は、実力を正当に評価することから生まれる」という原則は生きているのです。
事例5:ステーキ専門のチェーン店を展開しているE社では、7年前に女性のパートタイマーである店長を取締役に抜擢しました。つまりパート店長兼取締役ということですが、この結果、主婦としての感覚、現場店長としての考えを外食産業である同社の経営に対して直接反映することができ成功しています。 |
事例5:ステーキ専門のチェーン店を展開しているE社では、7年前に女性のパートタイマーである店長を取締役に抜擢しました。つまりパート店長兼取締役ということですが、この結果、主婦としての感覚、現場店長としての考えを外食産業である同社の経営に対して直接反映することができ成功しています。
パートタイマーだから管理職に登用することはできない、まして役員に抜擢することなど考えられないという固定観念は捨てるべきでしょう。
<当世若者気質あれこれ>
・希望する就職先でなければ就職しない?
新卒・若手社員の就職観についての興味深いデータがあります。
「希望する就職先に決まらなければ就職しなくてもよい」と考える学生が3割にも達しています。また就職したとしても「状況次第で会社を変わる」と答えた人が半数近くおり、実際初めての会社を3年以内で辞めている人が3割以上に達しています。
・意欲的に技術等を盗もうとしない?
最近の若手社員は、先輩から意欲的に技術を盗もうとしないようです。また、マニュアル化の弊害で原理・原則を知ろうともせず、その結果応用力や状況対応力が低下してきているともいわれています。このままでは技術者が育たないと危機感を抱く経営者は多いようです。なお職場に次のような若手社員はいませんか。
♪「おはようございます」などの挨拶ができず、挨拶されても返事ができない
♪分からないことがあったり間違いに気付いても質問しない など
・商品やサービスに物語性を求める?
映画などができあがるまでの制作現場を描いたTV番組が人気があるようです。このやり方を取り入れた商品やサービスが若者に受けています。例えば、職人が客の目の前で組み立てる工房月家具店などがそれで、完成品だけでは満足せず、商品やサービスに物語性を求める点も現代の若者心理の現れでしょうか。
・財テクも「遊び感覚」でする?
低金利時代からか仲間を募って株式に投資したり、ネット上で投資信託を購入するなど資産運用に意欲的な若者が増えているそうです。しかし、彼らの運用姿勢はバブル世代とは異なり、以外に堅実だがゲーム感覚を楽しむ「遊び心」がかいま見られるようです。
若い人たちに「社会に出て成功するために最も重要な要素は何か」と尋ねたところ、「個人の努力」と回答した人が多く、着実な面も持っているようです。