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助川公認会計士事務所 経営管理 10/12/05
正しい会計帳簿を作る

会社法432条に

「株式会社は、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。」と定められています。

1.毎日の会計帳簿の記帳の目的

毎日の記帳は、税金の申告の目的だけで行なうものではありません。本来は、自社の経営実績を正しく知るために行なうものです。パソコンの会計ソフトに毎日入力することが、会計帳簿の記帳です。
正しい記帳に裏付けられた会計帳簿は、正確な経営データによる経営判断の基礎となるからです。

パソコンの会計ソフトに入力していないと

現在どれだけ利益があるかがわからない。

現金、預金、借入金などの資産・負債がいくらあるかわからない

頭の中で描いていた業績と実際の数値がかけ離れている。

数ヶ月まとめて記帳するため、取引の漏れや間違いが多い。

金融機関からの評価が低い。

これらの原因の一つに、日々の記帳がしっかりできていないことがあります。

2.正しい会計帳簿は、経営改善の第1歩です

@ 売上が上がっているのに、常に資金不足

営業優先で、管理は後回しという会社があります。経営者の悩みは、売上があるのに、常に資金不足の状況が続くことです。取引銀行に融資を依頼しても、様々な厳しい融資条件を求められることが多いようです。長い付き合いなのに、金融機関からの評価が思った以上に低いことがあります。

会計帳簿の記帳はアウトソーシングして、金融機関への決算書の提出も形式的なものと考えて、決算書の作成は会計事務所にお任せの状態となっている会社が多いです。経営者は、「記帳によって売上や利益が伸びるわけでもなく、コストが増えるだけではないか」と考えているのです。そのように考えるのは、大きな誤りです。

A正しい会計帳簿の記帳とは

「正しい経営の実態を知りたいのであれば、まずは、毎日正しく記帳することからはじめる必要があります。」

会社は、会計事務所の指導のもと、経理担当者を置いて、毎日の記帳からはじめました。

まず取り組んだのは、現金管理です。毎日の現金の入金と出金を管理し、業務終了後には、金庫に残った現金を金種別に集計し、帳簿上の残高と照合し、金種別残高表を作成して保存するようにしています。毎日、現金残高を合わせることで、経費の支払いの記帳漏れなどが多いことがわかりました。

現金管理以上に、証憑書類の整理・保存は大変ですが、だんだんできるようになってくると、これまで気づかなかったことも見えてきました。

例えば、納品書や請求書、領収書などの整理・保存ができていなかったときは、得意先元帳や仕入先元帳への記載もれなどが多く、回収漏れがあったり、支払い予定日に資金がなくて慌てたこともあったのです。

正しい会計帳簿の記帳をおこなうようになり、そのようなことが少なくなります。また、交際費なども使用金額を正しく把握した結果、交際費が減少しました。

月次決算を組み、これまで気になっていた資金不足の原因なども、月次決算の経営データからわかるようになります。

3.経営計画を策定し、目標を定める

@売上拡大を目標として、失敗

ある社長は、売上や会社規模を大きくすることばかりを考えていたとすると、会社を維持するのにどれだけ利益が必要なのかがわからないため、無理をして利益の低い仕事ばかりを受け、会社が疲弊してしまいます。

その反省から、日々記帳された会計データと照らし合わせて、経営上の判断に活かすことで、利益の低い仕事をなるべく避けることができるようになりました。

社長は、経営計画を策定し、事業を続けていくために必要な売上と粗利益をきちんと把握して、そのラインを目標に頑張っています。さらに、経営計画書、決算書だけでなく、毎月の試算表をコピーして金融機関に提出しています。

A正しい決算は金融機関からも評価される

中小企業は、取引のある金融機関に定期的、あるいは融資に際して、決算書を提示しています。金融機関は、その決算書等をチェックして、各勘定科目の数値は正確か、企業の実態を表してしるか、粉飾等がなされていないか、などを確認しています。

日々、きちんと記帳された会計帳簿に基づいた試算表や決算書であれば、それだけ高い評価につながっていきます。

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