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助川公認会計士事務所 経営管理 04/10/28
経営の自己採点

 中小企業においては、企業の業績が良くなるのも悪くなるのも経営者の責任だと言われています。経営環境が厳しい中でも、必死に努力して業績を伸ばしている企業もあります。決算時に、1年を振り返ってみて、経営者としてどれだけのことをやってきたのか自己採点してみてはいかがでしょう。

−ポイント1−売上げはどうだったか?

 経営の基本は売上げを増やすことです。というのも売上げはすべての源泉だからです。以下の事項をチェックしてみましょう。

<売上げについてのチェック事項>

@売上げを増やす努力をしたか

   ・経営者自ら営業に出たか

   ・お客様に近づく努力をしたか

   ・事業の多角化を考えてみたか

   ・顧客を増やすための諸活動(DMなど)をしたか

   ・社員教育を徹底し営業を強化したか

   ・顧客への訪問回数を増やしたか

A売上高が減少したり利益率が悪化した理由は戦略的なものか

売上げが減ったあるいは利益率が悪化したとしても、それが政策的・戦略的に行ったものであればいいのですが、理由が分からずそうなったとしたら、企業経営上良くありません。

<来期に向けて>

経営者として、顧客に対しどういうことをやってきたか、それが結果として正しかったのか間違っていたのかを分析し、来期はどうするのか検討しましょう。

−ポイント2−計画どおり行えたか?

 きちんと計画・目標を立て、その目標を達成するのにはどうしたらよいのかを考え努力することが重要です。

<計画についてのチェック事項>

@計画・目標を立てその達成に向けて努力したか

 経営計画は、数字等を入れて具体性のあるものにし、書面にすることです。そして計画を立てたら、目標達成に向けて必死に努力しましょう。

A計画どおり実行し目標を達成したか

計画どおり実行できなかったとしたらどうしてできなかったか、目標達成を阻害した要因は何かなど、徹底的に究明するようにしましょう。

<来期に向けて>

目標達成できなかった要因を分析し、それを踏まえて来期の目標を具体的に定め、その達成のための具体的行動も細かく決めることが必要です。

−ポイント3−貸し渋り(選別融資)への対応はできたか?

依然として続いている金融機関の貸し渋りへの対応はどうだったでしょうか。

<貸し渋りについてのチェック事項>

@貸し渋りにあったか

具体的には金融機関の態度に次のような変化がなかったでしょうか。

  ・銀行から試算表を毎月提出するようにいわれた

  ・定期預金を解約して返済に回して欲しいといわれた

  ・借入の相談に行ったら断られた

  ・追加担保の差し入れを要求された

  ・借入金の金利及び手形の割引料がなった      など

A金融機関からどう見られているかチェックしたか

 貸し渋りにあうような財務内容だったのかどうかについて、例えばどのように企業格付けされているかを分析することも重要です。

B金融機関等に対して決算書等を公開しているか

<来期に向けて>

決算及び月次決算をきちんと行い、金融機関からの要請がなくても、決算書や毎月の試算表を届け、自社の財務状況等を理解してもらっておくようにしましょう。

−ポイント4−資金繰りに支障はないか?

キャッシュフロー経営が話題になりましたが、資金繰りに問題はなかったでしょうか。

<資金繰りについてのチェック事項>

@支払いと入ってくる資金を毎月きちんと把握し、早め早めに対処したか

A慌てて金融機関に融資を申し込みに行ったことはなかったか

B社員の給与を遅配したり、手形をジャンプしてもらったりといったことはなかったか

C回収すべき売掛債権が回収できず困ったことはなかったか

<来期に向けて>

まず資金繰り表をきちんと作成することがポイントです。入ってくる資金と支払いのバランスがとれているかチェックしましょう。

以上の他に、次のような項目についても総括し、来期に生かしましょう。

(1)経費節減を行ったか

借入金の見直しや不要不急の資産の売却、人員配置の見直し、能力給への移行など賃金体系の見直し等に取り組みましたか。

(2)情報通信機器の進歩を察知しているか

情報通信機器の発達に伴い、仕事のやり方が劇的に変化しています。こうした時代の流れを察知し対応しようとしてきましたか。

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