助川公認会計士事務所 | 企業経営・マネジメント | 04/05/29 |
営業構造改善の着眼点 |
企業の戦略を考えていく場合に最も大切なことは「売れる仕組み」をつくることです。この仕組みづくりがされないまま、場当たり的な販売促進策をとっても多くの場合、一時的な成果にしかなりえず、継続的な業績の向上には結びついていきません。したがって何よりもまずこの「売れる仕組み」すなわち好ましい「営業構造」を作っていく必要があります。
それではどのようにして好ましい営業構造を作っていけばよいかということですがその着眼点としては以下の4つがあります。
@産業構造内において好ましいポジションに位置すること
◇好ましいポジションに位置するとは、成長性ないしは収益性が高く、しかも他から参入されにくい事業分野に属することないしは関連することである。
◇そのためには、成長性の高い事業分野へ進出することないしは新しい成長事業分野を創出することが必要である。
<改善の方向例>
・できるだけ成長性の高い事業分野へ進出する
・新しい事業分野を創出する
(例)対象顧客や取扱い商品を絞り込む
既存商品を新しい流通ルートへ流す
既存流通ルートへ新商品・代替商品を流す
既存事業を新しい事業スタイルで展開する など
A販路構造内において好ましいポジションに位置すること
◇通常の販路構造はメーカー、卸売店、小売店、エンドユーザーなど多くの販売関与者により構成されている。 ◇好ましいポジションとはこの中で商品、資金、情報の動きを最も効果的にコントロールできる位置のことである
<改善の方向例>
・現在自分が持っていない機能を強化(開拓)する
(例)製造業・・・商品流通(卸売)機能や商品販売(小売)機能を強化する
・◯◯地域ルートを強化(開拓)する
(例)国内ルートや他府県ルートを強化する
・◯◯顧客ルートを強化(開拓)する
(例)製造業・・・小売直売ルートを開拓する など
B取引構造を好ましくすること
◇好ましい取引構造とは、顧客や仕入業者が量的にも質的にもバランスがとれている状態をいう。
◇バランスがとれているというのは、収益の確保、資金繰りの安定に最も貢献している状態をいう。
<改善の方向例>
・新規顧客開拓により一部の顧客(層)への偏りをなくす
・より好ましい顧客を重点管理する
・仕入先を集中化させることにより効率的な管理を実現する など
C上記の視点を実現する上で最も効果的な営業組織をつくること
◇営業組織形態は、その企業が実現しようとする営業課題を最も効率的に遂行していくものでなければならない
<改善の方向例>
・営業拠点(店舗)を増強する
・営業組織をより効率化する
(例)商品(群)ごとに営業組織や担当者を変える
販促企画を担当する部門(担当者)を設ける