助川公認会計士事務所 | 企業経営・マネジメント | 08/11/30 |
利益はあるが、資金不足 なぜ? |
1.利益とお金は、異なる動きをとります
現金で仕入をして、売上も現金で回収する小売店や飲食店の場合は、利益の動きとお金の動きはほとんど一致しています。
一方、仕入れも掛け、売上も掛売りの場合には、会社の利益とお金は一致しないのが通常です。
特に手形で代金を回収すると、現金化までに数ヶ月を要します。
売上が上がり、毎月利益が出ているにもかかわらず、仕入れ代金の支払いが先行して、売上代金の現金化が遅れると、資金不足になります。
「勘定あって銭足らず」という言葉が昔からあるように、利益は出ているのだけれどもその分だけのお金がない状態はよくあることです。
特に売上拡大時には決済条件や人員増員などの要因で、どうしても運転資金が足りなくなりがちです。
そのような場合は、計画的な資金調達が必要になります。
2.経費にならない支払いは利益と連動しない
会社の利益は売上から仕入や経費を差し引いて計算されます。
経費にならない支払いは、
・借入金の元金の返済
・ 支払い時に全額経費にならない固定資産の購入
・ 敷金や保証金の支払い
など、経費にならない支払いをすると、お金は出て行くけれども利益は減りません。
これらの支払いをいくらしても、会社の経費としては、計算しないので、「利益は出ているけれども、お金がない」ということになってしまうのです。
3.利益とお金の両方を管理する
月次試算表の損益計算は、会社の利益を計算します。
一方、資金繰り表やキャッシュフロー計算書は、会社のお金の動きを表します。利益ばかりを見ていると資金繰りがお留守になり、お金ばかり見ていると利益にかかる税金がお留守になります。
両者を毎月見ることによって会社の状態と今後の推移を見定める必要があります。
キャッシュフロー計算書とは、
上場会社などでは貸借対照表や損益計算書とともに会社の決算書の1つとして作成されています。
お金の動きを
・ 営業活動によるキャッシュフロー
・ 投資活動によるキャッシュフロー
・ 財務活動によるキャッシュフロー
の3つに分けて表します。