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助川公認会計士事務所 BTkigyou.jpg (1685 バイト) 企業経営・マネジメント 04/10/28
経営理念を形成し、社内に浸透させる

 経営理念を形成し、社員に徹底させるには、どうすればよいか。

 経営理念形成のステップ
@ 真の経営理念は人間としての問題意識〜求道心からスタートする。本物とはそういうことです。そして、理念が複雑多岐な人間性深淵から生じているだけに、本物は真似ができないという 性格があります。
A 人間としての成熟が基本(理念は熟してゆく)。初めから完成した経営理念があるというのはむしろ稀です。人間も成長する、理念も成長する。
B 真の経営理念は血と汗と涙と脂がこびりついた具体的なものである。したがって、生きた経営理念はこれを生み出した人物と逸話をほうふつとさせるものです。
C 個人の問題意識と社会との接点に経営理念が生じる。経営理念は自らの事業の社会的役割の再確認というプロセスに生じます。
D 往々にして事件が経営理念を結晶化させる。普通、経営者の意識や思想は必ずしも明瞭とは限らず、「事件」とも言うべき出来事が理念を明瞭にし、結晶化させます。
E 経営理念が会社を外的危機から救うということがある。「情けは人のためならず」です。
F 事業と経営は喜びであれ。すなわち、自己実現のレベルである。自己現実とは自分の内側にある能力や才能、疑問や問題意識などが外側に表現されることです。それは生命の本質的な営みで、それ自体が喜びです。成功している事業の本質は自己表現、言い換えれば創造性の発揮に原点を有しています。成功する事業と経営は喜びの結果です。 

 

 経営理念を社内に浸透させるポイント

経営理念を社内に浸透させるポイントは、次の三つです。

@ 必要時間を考慮
  トップの思想を社内に定着させるには時間がかかります。理念の伝承、浸透とは教育そのものです。教育には時間がかかります。「掃除哲学」で有名なイエローハットの創業者、鍵山秀三郎氏は率先垂範の掃除を10年間一人でやったと語っています。「自分の心の修行」と思ってやり続けて、10年経過した頃からぼつぼつと参加者が現れはじめるといった状況でした。そうした観点をまず検討してください。
A 理念の具体性
  理念が具体的であるかの反省が必要です。具体性がなければ社員への伝承は難しい。考えられた理念は貴重ですが、抽象的になりがちです。わかりやすく、インパクトを持ったものであるためには、具体的で、感情・感動を伴うものでなければなりません。他人が感動するためにはまず自分が感動しなければなりません。自分自身を激しく感動させ、やる気を起こさせるような経営理念が示されているかということです。
B 社内浸透には仕掛けが必要
  経営理念が効果的に浸透し、伝承されていくには、仕掛けが必要です。理念と仕掛けが結びついた最近の好例はミスミでしょう。「購買代理店」(販売代理店ではない)という理念を実現するために、固定的な部課制を採用せず、チーム制を採用。社内コンペでチームを組織かし、年俸制を基本として業績によって給料を増減させる仕組みになっています。 ポストイットで有名なスリーエムには30%ルールと15%ルールがあります。各部門の30%を5年以内に開発された新製品で占めることとし、そのために従業員の勤務時間の15%を開発のために自由に使ってよいという社内ルールを定めています。創造的であれという理念をこうした仕掛けで担保しているわけです。

 

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