助川公認会計士事務所 | 資金繰り | 09/08/02 |
資金不足を乗り切る 資産処分による資金の生み出し |
資金不足を乗り切る その2 資産処分
資産処分による資金の生み出し
@不動産を処分する
社内で多額の資金を生み出すには不動産処分が一番だ。
しかし、現状の不動産価格の低下、不動産需要の低迷の環境下では売りたくとも買い手が付かないのが現状である。仮に、不動産が処分できても、価格下落から担保借入金額の半分くらいにしかならないことも少なくない。不動産処分が比較的やりやすかった高度成長期と比べると、デフレ時の企業立ち直りはずっと難しい。
しかし、それでも不動産の処分は進める努力をしなければならない。それは、借入金が減少し、金利負担が減少するだけでなく、企業再生にかける経営者層の決意を固めることにつながり、加えて、外部関係者に対する経営再建の決意表明にもなるからである。
A不動産譲渡益に対する課税
不動産処分にかかわるもう一つの問題は不動産譲渡益に対する課税である。
不動産処分を迫られるような会社は累積欠損が多額にのぼり、不動産処分により譲渡益が発生しても、累積欠損で相殺される場合が多い。しかし、所有期間が五年未満の短期譲渡や二年未満の超短期譲渡は分離課税があるので、この点はよく調べた上で実行する。
Bその他の資産を処分する
不動産以外にも処分の対象とすべき資産は少なくない。
まず、有価証券。上場株式も値下がりが著しく、処分できずに抱えているところが多いが、資金が潤沢な会社はともかくも、資金不足の会社では売却損を出しても換金処分をしなければならない。
未上場の有価証券をつきあいで所有しているものは、名義先企業に申し入れて買い取り請求の依頼をする。
ゴルフ会員権やその他の会員権等も同様である。多少の売却損が発生しても、資金化して借入金の返済に充当すれば金利の削減にも役立つ。
関係会社などの貸付金も回収の対象として検討したい。
その他、賃借ビルの保証金や敷金などの償還も金額が大きいだけに検討の余地は大きい。現在のビルから多少、不便なところへ替わることは我慢して保証金や敷金の減額分を不足資金に充当する。