助川公認会計士事務所 | 会社の税務 | 10/06/12 |
資産の評価益の益金不算入、還付金の益金不算入 |
利益に対して、法人税が課税されますが、法人税法上、課税されないものもある。
@ 受取配当等の益金不算入(法23)
A 資産の評価益の益金不算入(法25)
B 還付金等の益金不算入(法26)
1.資産の評価益の益金不算入
法人の有する資産の時価が帳簿価額を上回った場合に、評価換えをしてその帳簿価額を増額したときには、評価益が発生する。
会社法や企業会計では資産の帳簿価額は、原則としてこれを取得するために要した金額を基礎とする、いわゆる「取得原価主義」が採られている(会431)。法人税法上も評価換えに基づく課税所得のし意的調整等が行われる点を考え、法人が資産の評価換えを行い評価益を計上しても、法人税法上は原則として評価換えがなかったものとし、その評価益は益金不算入としている(法25)。
資産の評価換えは原則的には認められないのであるが、次のような場合の評価益については、その資産の時価を限度として益金の額に算入することとしている。
@ 内国法人が会社更生法又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の規定に従って評価換えをする場合(法25A)
A 内国法人について民事再生法の規定による再生計画認可の決定があったこと等により評価換えをする場合(法25B)
B 保険会社が保有株式の評価換えをする場合(令24)
2.還付金等
法人税や住民税等の納め過ぎた税金は、還付される。 しかし、法人税等の還付金は、益金の額に算入しない。
法人税や地方税である住民税(都道府県民税、市町村民税)等は、法人の所得等を課税標準として課税され、その所得の中から支払われるべきものであり、課税所得金額の計算上損金の額に算入されない(法38)。
このように、納付しても損金の額に算入されない法人税等が過誤納等により還付された場合には、その還付金の受入れによる収益は益金の額に算入されない。
また、還付を受ける金額が他の未納の税額に充当される場合も同様である(法26)。
つまり、納付したとき損金とならなかった法人税等の還付金を益金として所得の計算を行えば、二重課税となるからである。